◆海外男子プロツアー<全英オープン 7月14日~7月17日 セントアンドリュース・オールドコース(スコットランド) 7313ヤード・パー72>
桂川有人が、歴史ある大会の洗礼を受けた。第150回全英オープン3日目(現地時間16日)、首位に8打差の通算5アンダーでスタートした桂川だったが、5番パー5で痛恨のダブルボギー。その時の違和感を残したまま18ホールをプレーして3つスコアを落とし、通算2アンダー55位タイに順位を落とした。松山英樹も4つスコアを落として通算3オーバーの80位タイ。通算16アンダーで優勝に突き進むローリー・マキロイ(北アイルランド)、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)の2人には、そろって大きな差をつけられてしまった。
初めての聖地挑戦は残り18ホール。23歳の戦いは続く
リンクスのグラウンドは硬い。5番の第3打で、桂川のその先入観がくつがえされた。
バーディーが欲しいフロントナイン唯一のパー5。第2打でグリーン手前まで運び、残りは43ヤード。このアプローチが、イメージと全く違った。
「思ったよりやわらかくて、狙い通りに上って行かない」。悔しそうにそう振り返った3打目がまさかのグリーンショート。混乱したまま打った4打目もグリーン左にはずして5オン、2パット。まさかのダブルボギーを叩いてしまう。
そのイメージを残したまま臨んだ次の6番でも3パットのボギー。2ホールで3打を吐き出して前半を終えた。
後半に入っても違和感はぬぐえず、風のジャッジも今一つうまくいかずに、2バーディー、2ボギーでプレーを終えた。3オーバー75で通算2アンダー。55位タイと大きく後退し、首位との差は16打に広まった。
初めての聖地挑戦は、残り18ホール。天候も含めてクルクルと表情を変えるスコットランドのコースでのプレーを、どんな形で終えることになるのか。23歳の戦いは続く。
6番でのトリプルボギーに泣いた松山英樹
2021年マスターズに続く、メジャー2勝目に向けて参戦した松山英樹にとっても、いいムービングデーではなかった。
通算1アンダー55位タイ。首位とは12打差ながらできるだけ巻き返したかったこの日だが、4番で3パットのボギーが先行。取り返そうとプレーを続けたが、6番のティーショットが右のブッシュに入ってしまった。アンプレアブルを選択し、ラフからのショットで3オン。だが、手前14メートルのファーストパットを大きくショートしてしまう。
「なんでショートしたかわからなかった」と、イメージが描けないまま4パット。トリプルボギーで通算3オーバーまで転落した。
気を取り直して、7番では第2打をピン90センチにピタリとつけバーディーを奪取。9番でも4.5メートルを沈め、1オーバーまでスコアを戻してバックナインに向かう。
ところが、バックナインに入ってもなかなかペースを取り戻せない。11番パー3ではバンカーからボギー。14番ではバンカーからうまく打った3打目が、マウンドにあたって戻ってきてしまうアンラッキーからダブルボギーとなり、集中力がそがれた。
それでも、自分自身と格闘しながら、17番ではバンカーからナイスパーセーブ。18番もバーディーで締めて、通算3オーバーで踏みとどまった。首位からは15打差の80位タイとメジャー2勝目は絶望的になったが、最終日はリンクスでのプレーのコツをつかもうと前を向いた。
首位は16アンダーでマキロイとホブランド
通算16アンダーのローリー・マキロイ(北アイルランド)と、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)の2人が首位を並走。前日首位だったキャメロン・スミス(豪)と前日2位のキャメロン・ヤング(米)の2人が、4打差の3位で2人を追う展開となった。
桂川と松山以外の金谷拓実、中島啓太、星野陸也、比嘉一貴、今平周吾の5人の日本勢は、予選落ちして姿を消している。