◆海外男子プロツアー<全英オープン 7月14日~7月17日 セントアンドリュース・オールドコース(スコットランド) 7313ヤード・パー72>
ローリー・マキロイ(北アイルランド)が、2014年以来の大会2勝目、メジャー5勝目に王手をかけた。第150回全英オープン3日目(現地時間16日)、マキロイはバンカーからの鮮やかなイーグルなどを見せて6アンダーでプレー。ビクトル・ホブラン(ノルウェー)とともに、通算16アンダー首位で最終日を迎える。
10番でバンカーから鮮やかなチップインイーグル!!
圧巻のイーグルだった。
通算13アンダーまでスコアを伸ばして迎えた10番パー4。マキロイのティーショットは、グリーン手前のポットバンカー。ピンまで27ヤードだが、直角に立った”壁“からは1メートル以上離れていて、ライは悪くない。絶妙なタッチで打ったバンカーショットは、ピンの手前で少し大きく弾むとカップにするすると寄っていき、そのままカップの中に姿を消した。スーパーショットに大きな喝采が贈られる。
これで通算15アンダーとしたマキロイは、14番でもバーディー。17番は第2打が大きくグリーンオーバーしてボギーにしたが、18番ではピンにピタリと寄せるバーディーで締めて通算16アンダー。ホブランと首位に並んだまま最終日を迎える。
アマチュア時代から注目され、2007年にカーヌスティで行われたこの大会では、シルバーメダル(ローアマ)を獲得。ポストタイガーと呼ばれながらプロに転向した。プロとして臨んだ2010年大会では、初日に63を叩き出して3位タイとなり、メジャー優勝が近いことを思わせた。
翌2011年の全米オープンでメジャー初優勝。2012年には全米プロで優勝し、2014年にホイレークと呼ばれるロイヤルリバプールで念願だった全英オープンで初優勝して、クラレット・ジャグと呼ばれる優勝杯を手にしている。この年は全米プロで2勝目も挙げているが、以来、メジャータイトルからは縁がないまま8年の歳月が流れ、マキロイも33歳になった。
今年は、マスターズ2位、全米プロ8位、全米オープン5位タイと再びメジャーでの勝利がチラつき始める中で、アドバンテージを持って全英オープン最終日を迎えることになる。
ノルウェー人初の全英制覇へ!!
欧米両ツアーで優勝した史上初のノルウェー人がホブランだ。
オスロ生まれの24歳。高校生だった2014年にノルウェーアマで優勝後、強豪の米オクラホマ州立大に留学。2018年には全米アマを制した。そこで出場権を手にした2019年マスターズ、全米オープンの2試合でローアマを獲得しており、プロ転向後は米ツアー3勝、欧州ツアーでも優勝を経験している。
おなじ欧州勢の先輩、マキロイと一緒に最終組の1つ前でスタートしたこの日は、3番でグリーン奥から11メートルの長いバーディーパットを沈めると、続く14番では13メートルをぶち込み、6番まで4連続バーディー。バックナインも落ち着いて2つのバーディーを奪い、マキロイに一歩も譲らず首位並走のまま最終日に突入する。
目指すはノルウェー人初の全英オープン優勝。チラつき始めたクラレット・ジャグ目指して、全力で聖地に挑む。
最終組の欧州勢2人のゆずれない戦いに注目!
46歳となったタイガー・ウッズにとって、『聖地で最後の全英オープンになるのでは?』と、開幕前から言われていた150回大会。予選落ちしたタイガー自身が、慣例通りならば5年後となる、次回のセントアンドリュースでの大会に出場できるかどうかわからないと口にしたこともあり、“タイガー後”のヒーローたちに再び注目が集まっている。
ポストタイガーと言われ続けてきたマキロイは、タイガーへの思いをハッキリと口にしている。一方のホブランは、タイガーがプロになり、記録づくめのマスターズ制覇を果たした後の1997年9月に生まれた24歳。タイガースラムと呼ばれた200年から2001年にかけてのメジャー4連勝の頃は、まだ幼児だった年代だ。
タイガー以降、メジャータイトルを手にし、世界No.1の座についた選手は少なくない。だが、タイガーの次の時代を背負って立つまでには誰も至っていないのが現状だ。ポストタイガー世代のマキロイと、さらに次世代の新鋭ホブランという欧州勢2人が、3日目と同じ2サムで、最終日は最終組でのスタートとなる。ゆずれない戦いの行方に注目だ。