◆海外男子プロツアー<全英オープン 7月14日~7月17日 セントアンドリュース・オールドコース(スコットランド) 7313ヤード・パー72>
第150回全英オープン最終日(現地時間17日)は、キャメロン・スミス(豪)の優勝で幕を下ろしたが、日本勢2人もアンダーパーでプレーした。通算2アンダー、55位タイからスタートした桂川有人は、3つスコアを伸ばして通算5アンダーの47位タイ。通算3オーバー80位タイだった松山英樹も5アンダーでプレーして、通算2アンダーの68位タイ。次回へのリベンジを誓った。
「最高でした!」大きな経験を積んだ桂川有人
5バーディー、1ダブルボギーの3アンダー69。前日、5番のアプローチでリンクスの硬い地面のイメージと違う感触に混乱したままプレーを終えた桂川だったが、この日は終始、落ち着いてプレーすることができた。
3番でバーディーの後、4番では第2打をグリーンオーバー。ポットバンカーからの第3打目が、傾斜で戻ってきてしまい、4打目も同じバンカーから打ってダブルボギーを叩いてしまう。それでも、前日苦しんだ5番ではバーディーでリベンジを果たす。ここから3連続バーディーで笑顔が戻り、バックナインも14番でバーディー。この日は、3アンダー69でプレーし終えて、通算5アンダーの47位タイで大会を終えた。
5番からの3連続バーディーについては、「(今大会)最後のプレーになるということで思い切って、という気持ちが強かったです」と、初舞台への熱い気持ちを口にした。
初出場の全英オープンだったが、「難しいコースだったので、あんまりガツガツ行けるコースじゃないと思って、安全な方、安全な方へと打っていったのが平常心のようになったのかも」と、コースと冷静に向き合っていた。
「最高でした!」と締めくくった全英初挑戦。今後への大きな糧となるに違いない。
シーズン終盤戦、さらに来年のメジャーに気持ちを切り替えた松山
日本のエース、松山英樹は、ミラクルパーで最終日のプレーをスタートさせた。
3番でベタピンバーディーを奪うと、5番でも2オンしてイージーバーディーと波に乗る。前日トリプルボギーを叩いた6番もバーディーとして、通算イーブンパーにスコアを戻して、バックナインに入る。
10番、12番もバーディーを重ねたが、13番で3パットのボギー。14番パー5では10メートルのイーグルパットがカップにけられるもバーディー。17番で3パットのボギーの後、最終18番はグリーン手前からの20メートルをパターで寄せて、4日続けてバーディーで締めくくった。
通算2アンダー68位タイ。最終日に5つスコアを伸ばし何とか存在感を示したが、メジャー2勝目を狙って乗り込んだ大会で、優勝争いとは程遠い結果に悔しさをにじませる。
この日は午前7時40分に3組目でスタートした松山のホールアウト時間は、午後2時50分の最終組スタートよりはるかに前のこと。優勝争いを見ることなくコースを後にし、シーズン終盤戦、そして来年のメジャーに向けて気持ちを切り替えた。
桂川は夢を追いかけそのまま渡米。若者たちの将来に期待
2021年のマスターズを始め、すでに8勝している松山の主戦場は、改めて言うまでもなく米ツアー。日本でプレーするのは、そのオフシーズンか合間の数回しかない。
今回、日本人最高の結果を出した桂川も、将来的には米ツアーでのプレーを考えている。大会終了後は、そのまま米国に向かった。と言っても、米ツアー出場が決まっているわけではなく、マンデー(予選)にエントリーし、挑戦するためだ。
アスリートである以上、より強いフィールドを求めるのは当然のこと。しかも現在、日本の男子ツアーには試合が少ない。特にこの時期、6月の最終週から8月1週目の日本プロの間が5週間あいてしまうというスケジュール。試合という場を求めれば、自然に海外への気持ちが強くなるというものだ。
今回、予選落ちした5人も、全米オープンの後も米国に居続けたり、全英オープン前に欧州ツアーに出場したりと、様々な形でのスキルアップを模索している。
桂川だけでなく、日本の若者たちがどんなステップを踏んで世界へと飛び出していくのか。歴史ある全英オープンでの経験は、その大きな糧となるに違いない。