◆国内男子プロツアー<バンテリン東海クラシック2022 9月29日~10月2日 三好カントリー俱楽部 西コース (愛知県)7300ヤード・パー71>
4打差の2位からスタートした22歳の河本力が、1イーグル、4バーディー、4ボギーの69でラウンド。通算13アンダーにスコアを伸ばし、逆転でツアー2勝目をあげた。
前日首位の23歳・桂川有人は、1打差の2位に終わった。
首位スタートの桂川有人は6番から突然の乱調
最終日の2番でバーディーを先行。首位を快走していた桂川に異変が生じたのは、6番だった。
フェアウェーからの2打目がグリーンをショート。3打目はパターでカップを狙ったが、このアプローチをなんと奥のカラーまでオーバーさせてしまった。そこからまた1メートル弱を残してしまいボギー。
ここから、はた目にも分かるほどタッチがおかしくなった。7番でもボギーを叩くと、さらに8番パー3は、3オン2パットのダブルボギー。3ホールで一気に4つの貯金を吐き出してしまった。
一進一退の攻防の末、河本力が持ち味の飛距離を武器にイーグル奪取
そんな桂川の乱調を目の当たりにして、俄然奮い立ったのが、8月末のSansan KBCオーガスタでプロ初優勝を飾ったばかりの河本。
桂川がダブルボギーを叩いた直後の9番でバーディーを奪い、待望の首位に並んだ。だが桂川もサンデーバックナインに入り、必死に自分のゴルフを立て直す。14番までは一進一退の攻防が続いたのち、15番で大きなヤマ場が訪れる。
河本がこの570ヤードのパー5で、ドライビングディスタンス第1位(326.58ヤード)のパワーを見せつける。350ヤード近いビッグドライブで、第2打は残り216ヤード。厳しいラフからのショットとなったが、6番アイアンで堂々の2オン。3メートル弱のパットを決め堂々のイーグルだ。
このホール、左ラフに入れ3オン2パットのパーに終わった桂川に2打のリード。有利な立場で上がり3ホールへと突入した。
三好の難所で連続ボギーも、最終ホールで勝負強さを発揮した河本力
しかし河本も、難所が続く三好の上りで苦しむ。
魔のパー3と呼ばれる16番では、ティーショットを右の木に当てグリーン手前のラフにショート。寄らず入らずのボギーを叩くと、続く17番も得意のドライバーが右の林へ。しかも松の枝がボールを覆っており、枝ごとリカバリーショットを打たねばならない状況に立たされた。
林の中からのショットは、左のラフまで転がる。残り100ヤードの第3打も寄せ切れず、連続ボギーで桂川に並ばれてしまった。
最終18番での一騎打ち。先に打った桂川はフェアウエーをキープしたが、河本は右のラフにつかまる。まず桂川が残り158ヤードをピン奥4メートルに2オン。河本にプレッシャーをかけたが、河本は残る130ヤードを54度のウエッジでほぼ同じ場所へと乗せてきた。
どちらが先に打つのか。先に打った方がパットを決められれば、後から打つものにプレッシャーをかけられる。だが外れた場合には、後に打つ方がラインを見せてもらえた分有利になる。
わずかにカップまでの距離が長く、先に打つことになったのは桂川。ちょうどライン上に池田勇太のマークがあった。下りのフックと読んだ桂川は、マークをずらすことを要求せずに、そのまま打つ。
誰もが固唾を飲んで見守る中、桂川のパットは左に切れず、ほぼストレートのラインを転がりボール2個分右に外れた。
これを見た河本はストレートのラインと知り、そのライン上にあるマークを右にずらすことを要求。ストレートのラインを強めに打ち、左カップからネジこんだ。
大ギャラリーに向かって、「これからまた3勝、4勝とモチベーション高く頑張っていきますので、応援、宜しくお願いします」と、高らかに宣言した河本。高額賞金の続く秋の陣での戦いが見ものだ。