「遅れてきた大器」がついに大輪の花!小林伸太郎が地元で悲願の初優勝

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応援の子供たちの横断幕とともにガッツポーズ 写真:JGTO images

◆国内男子プロツアー<For The Players By The Players 2022 10月6日~10月9日 THE RAYSUM/ザ・レーサム(群馬県)7137ヤード・パー71>

かつて大器と注目を集めた男が、プロ14年目にしてようやく結果を出した。
単独首位でスタートした地元・群馬出身の36歳、小林伸太郎が5バーディ、2ボギーでラウンド。8ポイントを加算し、通算41ポイントでツアー初優勝。2位の大岩龍一に5ポイントをつけての、危なげない勝ちっぷりだった。

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地元・群馬のファンに感謝

小林を支え続けた家族と喜びのショット 写真:JGTO images

 ウィニングパットを沈めると、小林は帽子を取って、観客席のギャラリーに向かって、丁寧に頭を下げた。それはこのコースを含めた群馬の地が、小林にとっては大事なホームタウンであったから。

 優勝の味をしみじみとかみしめながら、小林が言う。

 「生まれ育った群馬県ですし、このコースもかつて練習していた場所。コースに来てくれた人に応援していただけて、力をもらえた。皆さんのおかげで優勝できました」

 地の利は、確かにあった。中盤、グリーンを外し苦しいゴルフが続いたが、柔らかいタッチのロブショットで何度もしのいだ。

 「群馬は山のコースが多いので、ロブショットが身につく。今週はウェッジに助けられました」と、優勝への道のりを振り返った。

かつて大器と呼ばれた男

 10歳でゴルフをはじめ、高校はゴルフ部のある隣県・栃木の佐野日大へ。高3時に日本ジュニアを制し、大学は東北福祉大へ。3年時に出場した日本アマでは、田村尚之との41ホールに及ぶ熱戦を制し、見事優勝を飾っている。

 同大学出身者では、日本アマ3勝の星野英正、宮里優作に続く快挙とあって、2009年にプロ入り後の活躍に期待が集まった。

 しかしプロ入り後の成績は振るわない。2015年に日本プロで4位タイに入り、7年目の正直で初シードを獲得。翌年には、初戦のSMBCシンガポールオープンで日本人最高の4位タイに。「マイナビABCチャンピオンシップ」では3日目69で回り、通算10アンダーで単独首位に躍り出た。

 しかし2打差2位で出た片山晋呉に逆転され、1打差2位の惜敗。ベストフィニッシュを塗り替えたが、翌17年にシードを失うと低迷が続いた。

変則の試合形式も味方に

プロ入り14年目のツアー初優勝。今後の活躍に期待。 写真:JGTO images

 ABEMAツアー賞金ランク7位の資格で臨んだ昨シーズン。パナソニックオープンの最終日に一時首位に立つなどして4位タイ。4季ぶりのシード復帰を果たした。

 98年のアコムインターナショナル以来となるステーブルフォード方式を採用した今大会。別称「ポイントターニー」では、パー0点、バーディ2点、イーグル5点、アルバトロス8点、ボギーはマイナス1点、ダブルボギー以上はマイナス3点で換算。その総得点を競った。

 5ポイントをリードして迎えた16番のパー3。左には大きく口を空けている池が効いている。小林はこのホールで右サイドに乗せる安全策は取らず、あえて危険なピン手前2メートルのチャンスにつけた。

 「あそこで逃げたら後手に回る」と、果敢な攻めが結果的に勝負を決めた。大岩が5メートルを決めて派手なガッツポーズを見せると、小林も2メートルを入れ返しガッツポーズを見せつける。後続に付け入るスキを与えなかった。

 変則的な競技方式を手のうちに入れての独走V。

 「やっと勝てた」とつぶやいた男が、今後どれだけ勝ち星を重ねることが出来るのか。遅れてきた大器のゴルフに、注目が集まる。

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