惜敗した岩井明愛、猛追の菅沼菜々&吉田優利『アース・モンダミンカップ』ハイライト

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(左から)岩井明愛、菅沼菜々、吉田優利 写真:Getty Images

◆国内女子プロツアー<アース・モンダミンカップ 6月22日~6月25日 カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県) / 6650ヤード・パー72>

岩井ツインズの活躍が続いている。ツアー2勝目を狙う姉、明愛が、永久シードを狙う申ジエとのプレーオフを戦い敗れたもののツアー2勝目への可能性を感じさせれば、今季すでに2勝している妹、千怜は10位タイに終わった。共に悔しさを爆発させた2人だが、毎週のように優勝争いに顔を出すツインズは、今季の“台風の目”となっている。4位タイまで追い上げた菅沼菜々、吉田優利などアース・モンダミンカップ最終日を振り返る。

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申ジエに惜敗した岩井明愛

プレーオフの末、2位に終わった岩井明愛 写真:Getty Images

 岩井明愛は、実力者、申ジエの前にプレーオフで敗れ去った。

 ツアー最高の総額3億円、優勝5400万円のアースモンダミンカップ最終日は、通算10アンダー首位タイでスタートした明愛と、1打ビハインドから追いついた申が、通算13アンダーで並んでプレーオフに突入。1ホール目の18番の3打目をしっかり85ヤード残した申がバーディーを奪い、バーディーが取れなかった岩井を下した。

 今季は『KKT杯バンテリンカップ』で初優勝した後、10試合中4試合で2位と絶好調の明愛だが2勝目を逃し、「悔しいです」と唇をかむ。

 一方で、元世界ランク1位の申へのリスペクトは大きく、「リゾートやサントリーの時、色々悩みを聞いてもらったり、頼れる信頼できる先輩。悔しい気持ちもありますけど、申ジエさんが勝って自分もうれしい気持ちもあります。今回は負けてしまいましたが、また今度戦いたいと思う選手なので、チャンスがあれば申ジエさんと戦いたいなと思います」と、挑戦意欲を見せた。

 妹の千怜は最終日に追い上げられず、「ここまで来たら優勝したかったので本当、悔しさが残るプレーでした」と、通算10アンダー10位タイ。「見てる方がドキドキします」と、姉のプレーオフを見守った。

 この日はどちらも優勝には手が届かなかったが、2週後には揃って『全米女子オープン』(7月6日~9日、カリフォルニア州ペブルビーチGL)の大舞台に挑む岩井ツインズ。躍進は続く。

 申は、今季2勝目でツアー通算28勝目(ツアー登録前の2勝は規定上カウントしていない)。永久シードの資格30勝まで、あと2勝に迫った。

“夏休み”前に奮闘する菅沼菜々

最終日に4位タイまで追い上げた菅沼菜々 写真:Getty Images

 最終日に強い菅沼菜々が、この日も本領を発揮した。

 初日、2オーバー87位タイと出遅れながら、2日目に5つスコアを伸ばして22位タイで予選を突破。この日も8バーディー、2ボギーの猛攻で通算11アンダー。4位タイに食い込んでいる。

 シーズン4度目のトップ10入り。念願の初優勝に向けて、着実に経験を積んでいる。

 「今日は朝からショットの調子が悪くて、ヤバいなと思っていたのが思ったより(スコアが)良くてびっくりしています。よくなかったからこそ、1打1打すごい集中して、ショットの軌道とかも毎ショット意識していました」と、丁寧なゴルフで最後まで粘った。

 この時期、踏ん張らなければいけない事情がある。パニック障害の1つである広場恐怖症という病気を抱えているからだ。飛行機や新幹線など、逃げ場のないような場所に行くことができず、車で移動できるところの試合にしか出られない。7月の『ミネベアミツミ レディス北海道新聞カップ』から9月1週目の『ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント』までの8試合中、4試合が北海道開催となるため、半分“夏休み”になってしまう。

 「北海道(の試合)には出れないので、実質来週(資生堂レディス)が前半戦の最後になります。優勝争いはもちろん、上位で上がれるように1打1打集中して頑張りたいです」と宣言しており、”夏休み“前の初優勝に期待がかかる。

全米女子オープンへ勢いを持続させたい吉田優利

7月の全米女子オープンに向け調子を上げたい吉田優利 写真:Getty Images

 奥からの7メートルが、鮮やかにカップに吸い込まれる。イーグルだ。

 首位に5打差の通算5アンダー。19位タイで最終日に臨んだ吉田優利が、8番で最高の笑顔を見せる。1番をバーディーでスタートし、5番で2つ目のバーディー奪取。8番イーグルの後、9番バーディーで、フロントナインで5つスコアを伸ばした。

 バックナインに入って勢いはやや衰えたが、それでも2バーディー、1ボギー、通算11アンダーの4位タイで大会を終えた。

 今季は、公式戦初戦の『ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ』で通算3勝目を挙げ、確実にステップアップしている。2週後には『全米女子オープン』出場も控えている。直前の『資生堂レディス』(6月29日~7月2日、神奈川・戸塚CC)もスキップしない連戦となるだけに、この勢いを大事にしたいところだ。

 「(全米女子オープン会場の)ぺブル(ビーチGL=カリフォルニア州)がどんなコースかわからないので対策はできないんですけど、それよりも自分の調子を上げられたことに意味があると思いますし、このまま来週いいプレーができたら自然に結果もよくなってくるんじゃないかなと思います」と、自信をのぞかせた。

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