◆国内女子プロツアー<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 4月8~10日 石坂ゴルフ倶楽部 (埼玉県) 6475ヤード・パー72
昨季賞金女王の稲見萌寧が2位タイでフィニッシュし、今季2度目のトップ10入りを果たした。開幕からなかなかコンディションが上がらないなか、「最終的に上位に来ることができて良かった」と笑顔を見せた。
5打差13位タイから最終日の追い上げで2位タイへ
前回大会優勝者の稲見萌寧が、最終日に追い上げを見せた。
1番パー5でイーグルを奪取してスタートダッシュをきったが、その後は出入りの激しいゴルフで、前半3バーディー、3ボギー。後半も2バーディー、1ボギーとなんとか持ちこたえ、通算6アンダーの2位タイでフィニッシュした。
開幕戦に続いて今季2度目のトップ10入りで、「自分では優勝争いをした感じはないのですが、最終的に上位に来ることができて良かったです」と振り返った。
昨季の賞金女王が苦しむ感覚のズレ
それでも今年は6試合目では最高の成績。とはいえ、本来の稲見の強さが戻ってきたわけではない。
今大会の開幕前には、今も体の調整がうまく進んでいない悩みを明かしていた。
「自分のゴルフがすごい悪いという感覚ではないんですけど。ちょっと今年いろいろと、体の方でトレーナーさんで悩んでいて、まだ落ち着いていません。ゴルフにすべて集中できていないという感じが続いているので、それを早く解決したい」
今のところ、影響があると思われる腰痛は特にないという。先週から新しいトレーナーと契約を結び、新たにコンディション調整に励んでいるところだが、本調子に戻すには時間がかかりそうだ。
「どこか痛いというのはまったくありません。スイングや細かい感覚的なところが合わないと感じています。自分にしかわからない感覚ですね。痛い、固いというよりも重心の位置とかが不安になると、自分の力を出すタイミングが変わって合っていない感じがするんです。特に一番ずれていると感じるのがパター。体幹がずれているのか、同じイメージで打っても、転がりが全然違うので、そこが一番影響が出ています。自分の今の調子が悪いのか、それとも体が今までと思うように動かないのか、わからない状態。いろんな意味で悩みながらやっている」
連戦が続く中で、コンディションの回復や調整に比重を置くため、練習時間を確保できないのは稲見にとっては辛い状況だ。課題があれば、それに対して何時間もかけて修正をこなす“練習の虫”でもある彼女にとっては、ストレスになっているに違いない。
それでも今大会の2位タイの結果で気持ちを切り替えていきたいところ。そのためにも「まず1勝を早めに上げたい」。
ゴルフにはいい時も悪い時もあるスポーツだが、稲見が与えられた試練をどのように乗り越えていくのかを見守りたい。