◆国内男子プロツアー<三井住友VISA太平洋マスターズ 11月10日〜13日 太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)7262ヤード・パー70>
石川遼が、ツアー通算18勝目に歓喜した。
三井住友VISA太平洋マスターズ最終日(13日)は、首位スタートの蟬川泰果が失速。タフなコンディションのなか、1つずつスコアを伸ばした石川と星野陸也が、通算8アンダーで並んでプレーオフに突入した。石川が2ホール目でバーディーを奪って激戦に決着をつけ、第50回目の歴史ある大会で4人目の3勝目を飾った。
石川遼が天を仰いで、両手を挙げた
激戦を展開した星野と握手し、キャディーとハグ。喜びに浸る。
降りしきる雨の中、星野陸也とがっぷり四つのプレーオフ。18番の繰り返しとなった1ホール目は、チャンスを逃す。
2ホール目は、ティーショットを右の林に入れたが、手前4メートルに3オン。これを沈めてバーディー。パーに終わった星野に競り勝った。これまで一緒に練習するなど切磋琢磨しあってきた後輩の星野との争いを制し、貫録を示した。
ジャンボ尾崎、中嶋常幸、L・ウエストウッドに次ぐ4人目の大会3勝目
約3年ぶりのツアー18勝目は、大会史上最多タイの大会3勝目にもなった。
過去に今大会で3勝しているのは、1973年の第1回大会、92年、94年を制した尾崎将司と、1985年、2002年、06年を制した中嶋常幸、そして1996年から3連覇したリー・ウエストウッドの3人。ここに名を連ねた。
2007年、あどけなさの残る高校1年生のアマチュアだった石川が『マンシングウェアオープンKSBカップ』で優勝を飾った3年後の2010年に大会初優勝。さらに2012年には2勝目を挙げたが、それ以来、10年の歳月が流れた。
米ツアー挑戦やスイング改造など、様々な挑戦を経て、31歳になってたどり着いた大会3勝目。
昨年はコロナ禍で海外から戻った際、隔離のルールに違反して大会出場を自粛した時期もあるなど苦しんだ。だからこそ「すべては結果を出すために取り組んできました」と言う言葉に、思いがあふれた。
たくさんの観客を集めての記念大会にふさわしい王者となり、胸を張った。同時に、「この結果に甘んじず、もっともっと上を目指していきます。これからも応援よろしくお願いします」と、さらに磨きをかけることを誓っていた。
失速した蟬川泰果は悔しい8位
アマチュアで勝ったパナソニックオープン、日本オープンに続くツアー3勝目、プロ転向後の初勝利に期待がかかった蟬川だったが、この日は雨と寒さ、そして最終日のピン位置という太平洋御殿場コースのタフさに苦しんだ。
通算10アンダー。石川、星野に3打差の単独首位でスタートしたが、バーディーは出だしの1番だけ。
ボギー5つ、ダブルボギー1つの6オーバー76で、通算4アンダー。プレーオフを戦った2人には4打足りない8位に終わった。
ピンを攻めて、ファンを喜ばせるゴルフが身上の男だけに、この日のコンディションではそれが裏目に出た格好となった。だが、まだプロ2試合目。今後の活躍に期待がかかる。