“優利ブランド”確立宣言!初の公式戦制覇で吉田優利がシーズン主役に浮上

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最終日のラウンド中でも笑顔を見せる吉田優利 写真:Getty Images

◆国内女子プロツアー<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 5月4日~5月7日 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)/ 6780ヤード・パー72>

吉田優利が、初の公式戦タイトルを満面の笑みで自ら祝福した。 タフなコンディションの中、『ワールドレディスサロンパスカップ』を制した吉田は、2年ぶり3勝目のビッグタイトルに終始笑顔で、今後について口にした。自らを信じ、自分の道を行くこと、さらには長いゴルフ人生は、勝利だけでなく成長し続けることが必要だと考えていることなど絶好調の“優利節”は、今後の活躍を思わせるものだった。

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私のブランドを確立したい

 吉田が、自らの気持ちをいつも以上にハッキリと口にした。優勝会見で影響を受けた憧れの人について尋ねられた時のことだ。

 「もちろん(上田)桃子さんもすごいカッコいいですし、いろんな人を目標にしてきたんですけど、やっぱり自分は自分で他の誰でもなくて、私のブランドっていうのをもっと確立していけるようにしたいなと思いますね」

 この日、追い上げる立場にいた上田桃子は、同じ辻村明志コーチに師事する先輩だ。そこに対するリスペクトもある。

 「一言で言ったらお手本で、練習に向き合う姿勢とか、ゴルフに向き合う姿勢も態度も本当に誰よりも素晴らしいと思いますし、合宿も一緒にやって人一倍練習して、コーチと相談して。まだ今の自分じゃそこまでの領域には行けないくらい、圧倒的にゴルフとの向き合い方が素晴らしい先輩だと思っています」

 その上で、自分自身を押し出すことを宣言したのだ。

辻村明志コーチとともに笑顔でポーズ 写真:Getty Images

勝てない時期に見出したポジティブシンキング

 2年ぶりのツアー3勝目への道は、近そうで遠かった。

 新型コロナウイルスが猛威を振るう直前、2019年11月プロテストに合格。QTを20位で突破して臨むはずだった2020年シーズンは、コロナ禍で開幕戦から中止が続いた。

 最初の1戦が6月のアースモンダミンカップ。その後も、中止になる試合が続き、とうとう2020年と21年が統合する異例の事態となる。

 そんな中でプロとしてスタートを切った吉田だが、2021年『楽天スーパーレディース』で初優勝。この年、『ゴルフ5レディス』で2勝目挙げている。

 2022年も、2度のプレーオフ負けを含めて2位が5回。好調は維持しつつも、勝てない日々続いた。

 それでも吉田は笑顔を絶やさなかった。「勝てないからと言ってゴルフが終わるわけではないので…」と表現したが、ポジティブな姿勢を崩さなかった。

 「自分はそう思ってなくても、周りの声だとかにやっぱり耳を傾けてしまった時に、(勝てないことを気にするのは)これからの自分にとって良くない考え方だなと思っていての言葉だったんですけど」

 優勝はできなくても自分のプレーをしっかり評価。

 「1回勝てて他がずっとダメってよりは、安定してずっと勝つ準備ができているほうが、私はプロゴルファーとしてあるべき姿だと思っているので、って感じですかね」

 自ら導き出した考え方で自分を鼓舞し続け、3勝目につなげた。

年間女王を意識するも自らを客観的に評価

2年ぶりの3勝目が念願のメジャー制覇 写真:Getty Images

 コースセッティング、ピンポジション、強い風。最終日には強い雨まで加わったタフなコンディションの中、大詰めの17番でバーディを奪い、元世界No.1の申ジエを振り切っての優勝で、メルセデスランキングは、一気に15位から3位にジャンプアップ。

 通常の3日間大会の2倍という公式戦ならではのポイント配分によるものだが、早くも年間女王という話も出始めた。

 「聞いてびっくりして、今の段階で全然気にしてなかったので。でも昨年の秋くらいから意識してプレーしていたので、今のまま良い状態で続けていくことが結果、女王につながるんじゃないかと思います」と、頬を染めた。

 勝負の世界で生きる以上、優勝が大切なことはよくわかっている。その上で、「自分にできることをしっかりやりたいと思いますし、成長し続けるために今の場所に居続けないと。これは本当に大事にしたいなと思います」と、ゴルフとの人生を長い目で考えている。

 地に足をつけてするべきことをして、チャンスが来たら一気につかむ。

 自らを客観的に評価して戦い続ける吉田は、10年後、どんな選手になっているのだろうか。そんなことを考えさせる23歳。今後が楽しみだ。

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