◆国内男子プロツアー<ダンロップフェニックストーナメント 11月17日〜20日 フェニックスカントリークラブ(宮崎県)7042ヤード・パー71>
2位に2打差をつけてスタートした比嘉一貴が、1イーグル、5バーディーの64をマーク。2日連続ノーボギーとスキのないゴルフで、2016年のB・ケプカに並ぶ大会最多アンダーパー記録タイとなる通算21アンダーで逃げ切った。3打差の2位にはミト・ペレイラ(チリ)が入った。2週連続Vを狙った石川遼、プロ3戦目の蟬川泰果は39位タイに終わった。
13番のイーグルで後続を突き放した比嘉一貴
332ヤードで左ドッグレッグ、林の上をショートカットすればワンオン可能な13番のパー4で、比嘉は第1打にクリーク(5W)を選択した。
林の上を高々と越えていったボールは、グリーンに届かず。ラフにワンバウンドしてグリーン左手前のバンカーにつかまった。だがここから、比嘉の勝負強さが発揮される。
バンカーショットをふわりと上げて、手前に落とすとそのままカップイン。イーグルを奪い20アンダーの大台に乗せ、後続との差を「4」に広げた。
その後も落ち着いてホールを重ね、最終ホールもバーディー。今季4勝目は、見るものにその強さを再認識させる内容が伴っていた。
歴代優勝者の顔ぶれは日本ナンバーワンの大会
158センチと小柄ながら、マッチョな体から繰り出されるショットの精度には定評がある。パーオン率70.833%、6位の数字がそれを裏付ける。
通算6勝目は、最も欲しかったタイトル。トム・ワトソン、セベ・バレステロス、アーニー・エルス、タイガー・ウッズらメジャーチャンピオンが勝っている日本最高峰にランクされるトーナメントであることは誰もが認めるところ。
それだけに比嘉も、「一番と言っていいほど勝ちたいトーナメントだったので、歴代優勝者に名を連ねることができて光栄です」と、優勝の喜びをかみしめた。
初の賞金王もほぼ掌中に
逆転の賞金王を狙うランク2位の星野陸也は、8位タイでフィニッシュ。比嘉との差は7425万776円差に広がった。
シーズンは残すところあと2戦。
今週の「カシオワールドオープン」、来週のシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は、ともに優勝賞金4000万円。連勝すれば8000万円を加算できるだけに、星野は「残り2連勝できるように頑張ります」と、まだ諦めていない様子だが、比嘉がカシオワールドオープンで単独8位以上に入った時点で賞金王は確定するだけに、圧倒的優位に立っていることは間違いない。