近年若手選手の活躍が目立つJLPGAツアーですが、2023年シーズンの開幕がいよいよ迫ってきました。そこで、Golf Mが注目する今季の活躍が期待される若手選手を紹介します。まずは、デビュー初年度となった昨年、日本女子プロゴルフ選手権を含む2勝を挙げる活躍で一気にトッププレーヤーの仲間入りを果たした川﨑春花。2年目のジンクスを乗り越え、目指す2023年の目標とは?
メジャーの大舞台でも「緊張はなかった」
「1年前はこうなるとは想像もしていなかったので、自分自身でも驚いています」。2022年シーズンがルーキーイヤーの川﨑春花は、JLPGAアワードで新人賞を受賞し、飛躍の1年をそう振り返った。
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2003年生まれの19歳。京都生まれのおっとりした口調と見た目からは想像もつかないほど、攻めのゴルフで年間2勝し、一気に注目の存在となった。しかし昨季はQTランキング62位からのスタートで、レギュラーツアーとステップ・アップ・ツアーを並行していた。シーズン序盤は予選落ちも多く、「初めは成績も出なくて、腰痛にも悩んだりして苦しかった」と語る。
転機となったのが、昨年8月のステップ・アップ・ツアーの山陰ご縁むす美レディース。
「自分と向き合うようになってから成績が出るようになった」と同大会でプロ初優勝を遂げると、9月の日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯でメジャー初制覇の快挙を達成。19歳133日で大会最年少での優勝を果たし、一気にブレイクした。
新人選手なら大舞台での優勝争いで、多少は物怖じして、緊張からミスショットすることもあるもの。しかし当時の川﨑は、「目の前の一打に集中していたので、緊張はなかったです」と語るほどの強心臓ぶり。「実はメンタルは全然弱い」というが、本番での集中力の高さが彼女の強みでもある。
大きな目標は「メルセデス・ランキング1位」
その後、10月のNOBUTA GROUP マスターズGC レディースでも2勝目を手にして、その実力が本物であることを証明してみせた。そして最後は、JLPGA新人戦加賀電子カップでも優勝。最高の形でシーズンを締めくくり、ルーキーとは思えないほどの活躍ぶりだった。
「今では練習場とかでもたくさん声をかけてもらえるようになりました。一気に環境が変わって、自分自身がついていけなかった」と笑顔を見せるも、注目度の高まりには少し困惑気味の様子。しかし、それくらい大きな偉業を成し遂げたのだから、今季はさらに多くのギャラリーから声をかけられることだろう。
昨年のJLPGAアワード終了後、今季の目標について聞かれ、「(2023年は)大事な1年になると思うので、また優勝を目指してオフはしっかりがんばりたい。特にアプローチ、パターと100ヤード以内のショートゲームを強化したい。大きな目標としてはメルセデス・ランキング1位を目指したい。海外のメジャーに挑戦するチャンスがあるなら、どれだけ実力を出せるかも確認してみたい」と笑顔を見せていた。
ゴルフの世界では難しいと言われる2勝目を1年目で手にした。スポーツの世界には“2年目のジンクス”という言葉がある。1年目に新人賞を獲得したり、記録を作った選手が2年目には成績が悪くなるという言い伝えだ。
注目度の高まりと結果を残さなければという重圧に押しつぶされる選手も多いが、川﨑は持ち前の明るさと集中力で、そんなジンクスも吹き飛ばせるに違いない。今季も再び優勝争いに名乗りを上げ、女子ゴルフ界を盛り上げてもらいたい。