95年ぶりの偉業やLIVゴルフ!2022年男子ゴルフ10大ニュース

  • URLをコピーしました!
今季6勝を挙げ、国内男子ツアー賞金王になった比嘉一貴 写真:JGTO images

95年ぶりとなる日本オープンでのアマチュア制覇やついにスタートしたLIVゴルフなどなど、人気復活への気配が漂う男子ゴルフ界。2022年の出来事をGolf M編集部が独断でピックアップし、今年の10大ニュースとして発表します!

INDEX

1位 蟬川泰果がアマチュアとして95年ぶりに日本オープンを制覇

95年ぶりに日本オープンでアマチュア優勝した蟬川泰果 写真:JGTO images

 今年の日本オープン(第87回)で、とんでもない偉業が生まれました。

 初日から首位を走った蟬川泰果(東北福祉大4年)が最終日も73にまとめ、通算10アンダーで完全優勝。アマチュアとしては第1回大会(1927年)の赤星六郎以来、実に95年ぶりの「日本オープン」制覇となりました。

 蟬川は、9月の「パナソニックオープン」でツアー史上6人目のアマ優勝を飾ったばかり。1か月にも満たないうちに、過去の5人が成しえなかったアマ2勝の大記録も達成したわけです。

2位 LIVゴルフの発足で大騒動に。マスターズはLIVゴルフ参加選手も招待

 サウジアラビアの政府系ファンドの支援を受けたLIVゴルフ(リブゴルフ)が今年6月に発足。PGAツアーがLIVゴルフへ移籍した選手に資格停止処分を科すと、訴訟合戦にも発展し、PGAツアーとLIVゴルフの溝は依然として深いままです。

 そんな状況下、マスターズが2023年大会でのLIV出場選手の招待を決定。PGAツアーとは一線を画した行動をとりました。

 しかし主催者側は、2023年の4月に招待枠の再検討も匂わせており、まだまだ予断を許さない状況にもなっています。

3位 松山英樹がソニーオープンで米ツアー通算8勝目

ソニーオープンで米ツアー通算8勝目を挙げた松山英樹 写真:Getty Images

 12月25日には今年最後の男子世界ゴルフランキングが発表され、日本勢最上位の松山英樹に変動はなく、21位で2023年を迎えることになりました。

 2022年の2戦目「ソニーオープン・イン・ハワイ」の最終日、首位と2打差の2位からスタートして、スコアを7つ伸ばして首位に並び、プレーオフに進出。1ホール目でイーグルパットを沈め、通算8勝目を逆転優勝で手にしました。

 あれから早や1年。ディフェンディングチャンピオンとして臨むソニー・オープンもさることながら、2023年の第1戦であるセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズでも幸先の良い優勝といってもらいたいものです。

4位 2022年国内男子ツアー賞金王に比嘉一貴

国内ツアー史上最も小さな賞金王となった比嘉一貴に 写真:JGTO images

 今年の賞金王は比嘉一貴。身長158センチは国内ツアー史上最も小さな賞金王ということになります。

 比嘉はダンロップ・フェニックスで今季ツアー4勝目、通算6勝目を挙げ、翌週のカシオワールドで賞金王を決めました。

 パワーゴルフ全盛のゴルフ界は、体格にも恵まれた選手が多いだけに、小柄な比嘉は長身の選手たちとと比較されがちですが、「身長158センチというところで注目してくださったのもあると思う。僕が賞金王に就くことで、誰にでもチャンスがある、と多くの方が思ってくださったら嬉しい」と話していました。

5位 ゴルフスタジアム事件に初判決 被害側は上訴

 5年という歳月をかけ、東京地裁で8件の裁判が並行して行われてきた「ゴルフスタジアム(以下GS)事件」に対する初めての判決が7月13日、東京地裁で出されました。

 判決はジャックス側の請求を全面的に認める内容。被害者たちの全面敗訴となりましたが、「ゴルフスタジアム被害者の会」はすぐに控訴しています。

 被害総額40億円超、被害者1000人以上という巨額詐欺事件の流れはこうなります。GSの営業担当者がレッスンプロや工房、練習場にHP作成を持ちかけ、クレジットやリース料の支払いは、毎月同額の広告料を送金することで実質無料になるとの条件を提示。与信の際に虚偽の申告をさせるなどして、信販会社やリース会社と契約させましたが、広告料の送金が2017年2月下旬にストップ。レッスンプロたちにはローンやリース料の支払いだけが重くのしかかったものです。

 SMBCファイナンスサービスの一審判決も9月30日に出され、16人に残債の3割カットの判決が出ましたが、被害者の1人は「偽造行為などの認定がされておらず、判決に100%納得することはできない。控訴して最後まで戦います」と語っていました。東京高裁に場を移した法廷闘争はすでにスタートしており、来年も続くことになります。

6位 アマ規定の変更でアマチュアにも順位賞金10万円とスポンサー契約解禁

 アマチュアゴルファーの置かれた立場が、劇的に変わったのは今年の1月1日。

 R&Aにより新しいアマチュア資格規則が施行されました。この改訂で最も注目を集めたのが、競技のための費用を受け取ることやスポンサーやエージェントとの契約を結ぶことや、氏名・肖像を宣伝・広告に利用することができるようになったこと。馬場咲希選手のような有能な選手には、多くのスポンサーがつき、遠征費用などのサポートを受けられるようになったのです。

 こうした恩恵を受けられるようになり、大活躍へとつなげた典型的な例が、今年の全米女子アマ選手権を制した馬場咲希選手。その才能に魅力を感じた多くの企業がスポンサーとなり、馬場選手の海外遠征の後押しをしています。

 昨年まで埋もれていた才能が、世界のあらゆるところで開花する環境づくりが、世界中で進んでいます。

7位 JGTOと「DP World Tour」「PGA Tour」がパートナーシップを締結

 今回のパートナーシップ締結により、日本ツアーの賞金ランキング上位3名は欧州のDPワールドツアーのメンバーシップを獲得することになります。

 参戦後にDPワールドツアーの年間ポイントレース(レース・トゥ・ドバイ)でトップ10入りすれば、米国のPGAツアーのメンバーシップが手に入ります。

 また日本で開催される「ISPS HANDA CHAMPIONSHIP」の優勝で「DPワールドツアー」、「ZOZO CHAMPIONSHIP」の優勝でPGAツアーのメンバーになることができます。

 客観的には対等の提携とはいいがたく、PGAツアー、DPワールドツア―の下部ツアーとして扱われているわけですが、それでも日本で賞金ランク3位までに入れば翌年は欧州にフル参戦でき、賞金ランク10位までに入ればPGAツアーへの門戸が開かれることは、朗報には違いありません。

 日本選手の真の実力が問われることも忘れてはならない部分です。JGTOの環境整備とバックアップ体制の構築は、待ったなしです。

8位 JGAとR&Aがゴルフ振興で提携

 日本女子オープンの開幕前日の9月28日、同大会を主催するJGA(日本ゴルフ協会)が、会場の紫CCすみれコース(千葉)でR&A(全英ゴルフ協会)とのゴルフ振興に関する共同発表会を行いました。

 JGAは今年4月の定款変更により、競技ゴルファーの育成だけでなく、一般ゴルファーを対象にゴルフの普及・振興を目指すことになりました。

 その柱となるのが「ゴルファーの健康増進」と「女性を取り巻く環境を改善してのゴルフ振興」。JGAにはスピード感を持ったアクションを期待したいものです。

9位 三井住友VISA太平洋クラブマスターズで入場無料の試み

三井住友VISA太平洋マスターズでツアー18勝目を挙げた石川遼 写真:JGTO images

 今年、同大会は50回目の記念大会。そこで感謝の意を表すために、入場料無料という思い切った策に打って出たわけです。

 さらに、大会の行われた太平洋クラブ御殿場コース内では「御殿場ラーメンフェスタ」も開催され、北海道、東京、長野、群馬、福岡、地元・静岡の6店が集結。このイベントの集客効果も大きく、実に4日間で2万6702人もの入場者がありました。

 昨年が8998人とのことですから、約3倍のギャラリーがコースにつめかけたわけです。

 しかし、無料というカードを切ったことで、来年以降の来場者が増えるかどうかは、楽観論、悲観論が交錯し、今のところ未知数。

 「お金を払ってもみたい」イベントかどうかの答えは、今後のトーナメントの入場者数で出されていくことになります。

10位 電力ひっ迫で練習場の夜間休業相次ぐ

 3月22日、停電の危機に直面したのが東京電力と東北電力管内。原因はさかのぼること6日前の16日夜、福島県沖で発生した震度6強の地震です。

 「福島県広野町の広野火力発電所6号機と新地火力発電所が停止したほか、神奈川・磯子火力発電所はクリンカコンベヤの故障で1号機と2号機が停止」(資源エネルギー庁電力基盤整備課の話)したことで、大規模停電の危機に直面したわけです。

 これを受けて管内のゴルフ練習場は夜の営業を中止したり、打席を削減したりで節電に協力。このほか多くの企業が協力したことにより、停電は回避されました。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

LET’S SHARE
  • URLをコピーしました!
INDEX