◆国内男子プロツアー<アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップダイヤモンドカップゴルフ 5月12日~5月15日 大洗ゴルフ倶楽部 (茨城県) 7163ヤード・パー70>
聖地セントアンドリュースへの思いが勝った。男子プロゴルフツアーのアジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ ダイヤモンドカップゴルフは15日、茨城の名門・大洗ゴルフ倶楽部で最終ラウンドが行われた。5位からのスタートとなった2018・19年の賞金王・今平周吾が、3バーディー、1ボギーの68でラウンド。通算6勝目を挙げるとともに、7月14日から17日まで英国セントアンドリュース・オールドコースで行われる全英オープンの出場権も獲得した。
期待の若手、桂川有人に難所・大洗の洗礼
樹齢百年近い巨松を含む約2万5千本の松が各ホールをセパレートしたシーサイドコース・大洗。日本のゴルフ場設計の源流を作ったチャールズ・ヒュー・アリソンの流れをくむ名匠・井上誠一設計の超難コースは、最終日も牙をむいた。
その洗礼を最も受けたのは、今年の開幕戦・SMBCシンガポールオープンで2位に入り、全英の出場権をすでに得ている桂川有人だった。
4人が並ぶ首位タイからスタートした最終日。ハーフターン時には単独首位に立ち、今季2勝目が見えていたが、15番のパー5で落とし穴がぱっくりと口を空けていた。3オンしてからまさかの4パットでダブルボギー。16番でバーディーを奪い返したが、続く17番で痛恨のボギー。自滅の形で1打及ばずの敗戦だけに、「勝てるチャンスはあったので悔しい」と悔し涙を浮かべた。
優勝より全英切符が欲しかった今平周吾
一方の今平は、桂川がダブルボギーを叩いた15番パー5で2オン2パットのバーディー。上がり3ホールを手堅くパーにまとめ、優勝をものにした。
「今までゴルフ場に行った中で、一番難しかった。フェアウエーが狭くて、グリーンも小さくて。こういうゴルフ場で優勝すると自信にもなるので、うれしかった」と、してやったりの表情を浮かべた。
優勝もうれしい。しかしそれよりも欲しかったのが全英の出場権だったという。「今年は目先の目標として、賞金王や優勝よりまず、海外の試合にまた出たい」が本音だった。
今週は全米プロゴルフ選手権
昨年の最終戦・ゴルフ日本シリーズJTカップでは金谷拓美が単独3位に入ったことで賞金ランク2位に食い込み、全英切符を獲得している。今週は、今季のメジャー第2戦となる全米プロゴルフ選手権が米オクラホマ州のサザンヒルズで行われる。今大会で6位タイだった星野陸也、8位タイの香妻陣一朗と稲森佑貴の3人は、最終日を終えた足で、渡米の途についた。
6月には、マサチューセッツ州ボストン郊外のザ・カントリークラブで全米オープンも行われる。若手たちが続々と海外挑戦することになるシーズン中盤戦。海外から吉報が届くことを祈りたい。