◆国内女子プロツアー<ブリヂストンレディスオープン 5月19日~5月22日 袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県) 6713ヤード・パー72>
西郷真央が16番での鮮やかなイーグルで混戦を抜け出し、ツアー5勝目を飾った。2週連続予選落ちの直後だったが、師匠であるジャンボ尾崎のアドバイスもあって復活。全米女子オープン出場を前に、大きな手ごたえをつかんだ。
バンカーからのイーグルで混戦に決着
グリーン左手前のバンカーからの第3打は、グリーンに落ちると鮮やかにラインに乗った。吸い込まれるようにカップに消えた。イーグルだ。これで通算12アンダーとした西郷は、4人が通算10アンダーで首位に並ぶ混戦状態を抜け出した。
大詰めの16番は、ティーグラウンドから見て左側に注連縄を張った3本のご神木がそびえる名物のパー5。左ラフからの第2打をバンカーに入れたのも計算のうちだった。
「特別意識したというわけではなく、ノーマルのバンカーショットの感じ。ラインを読んでいる時からいいラインだなと思っていました」と、イメージ通りに打ったボールが4メートル転がってカップインした瞬間、両手を上げて笑顔でガッツポーズを見せた。
これで2打差の単独首位と混戦を抜け出した西郷は、最終18番でも3.5メートルをしっかりと決めて通算13アンダー。今季5勝目を手にした。
2戦連続予選落ちの後、師匠にもらったアドバイス
大会前まで9戦4勝と圧倒的な強さを見せているが、大会前の2試合は続けて予選落ちを喫している。だが、予選落ちで空いた週末を、西郷はムダにしなかった。「毎日のようにスイングの動画を見ているんですけど、過去にさかのぼって自分の意識していたことのメモと実際のスイング動画を見比べて、振り返ったりしたのが一番大きいと思います」と、自分自身を徹底的に分析した。
さらに、ほけんの窓口レディスが行われた福岡から、地元の千葉に帰った先週の日曜日、師匠である尾崎将司の元を訪れた。ショットそのものの問題点をチェックしてもらって修正。さらに、「調子が悪いときでも、悪いなりにまとめられるようにやっていかいといけないぞ」というアドバイスももらっていた。
この日は、1打差の単独首位でスタートしたが、4番でボギーが先行。なかなかバーディーが取れず、忍耐のプレーを強いられたが切り抜けた。「バーディーが来なくて辛かったですけど、ジャンボさんのお言葉もそうですし、地元ということもあってたくさんの方に応援していただいているということを忘れないようにプレーし続けました」。ツアーを背負う者の自覚が感じられるプレーぶりで、後半の勝負に備えた。
13番でようやく3.5メートルが入って、この日最初のバーディー奪取。攻める気持ちを強くして、終盤に突入。16番のイーグルで一気に勝負に決着をつけた。
次のターゲットは海外メジャー2戦目の全米女子オープン
次のターゲットは、2週後の全米女子オープン(6月2日~5日、ノースカロライナ州パインニードルズロッジ&GC)。「ジャンボさんに教わった部分もそうですけど、ショットに関してはもう少し継続してやり続ける必要があると思いました。教えていただいたことを信じてやり続けたい。グリーン周りについても、芝質に早めにアジャストできるように頑張りたいです」と意欲を見せた。
ディフェンディング・チャンピオンとして全米女子オープンに臨むのは、同じ年の笹生優花だが、それを意識する以上に、自分の技を試す機会を楽しみにしている。「ただ学びに行ったというだけではもったいないと思うので、自分がどれだけ戦えるか、しっかり結果として残せるように頑張りたいです。いろんな海外の選手から得るものもあると思うので、そこは学びつつ頑張りたいです」。
謙虚な気持ちと自信。その2つを持って挑む大一番が楽しみだ。