ツアー史上最も小さなメジャーチャンピオンが誕生。聖地での「リトル・ヒガ」の活躍に期待!

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青木功JGTO会長からトロフィーを渡される 写真:JGTO images

◆国内男子プロツアー<BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 6月2日~6月5日 宍戸ヒルズカントリークラブ西コース(茨城県) 7387ヤード・パー71>

身長158センチ。3打差3位からスタートした比嘉一貴が鮮やかな逆転でメジャー初制覇を成し遂げ、全英オープン出場権も獲得した。BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップは最終日の18ホールが行われ、比嘉が2イーグルを含む67をマーク。通算12アンダーで2位の大槻智春を1打抑えて今季2勝目、通算4勝目を飾った。

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「全身がブルブル」ウィニングパットを仕切り直し

 優勝のプレッシャーが、最後の最後で押し寄せてきた。ピン右約2メートル。入れれば優勝、外れればプレーオフのバーディーパットのアドレスを、一度ほどいた。右手の汗を何度もぬぐい、深呼吸をしてのウイニングパット。ボールはジャストタッチでカップのど真ん中に吸い込まれた。

 安どの表情を浮かべた比嘉は、この瞬間を、「経験ないくらい震えまくって…。手と足とかだけじゃなくて、全身がブルブル震えてしまった」と振り返った。まさに極限の状態で、仕切り直しを選択できる非凡さこそが、優勝を手繰り寄せる決め手となった。

158センチ・70キロの体格ながらすでにツアー4勝 写真:JGTO images

「リトル・コーノ」より4センチ小さい「リトル・ヒガ」

 この日の比嘉は158センチのマッチョな体を躍動させ、好ショットを連発。ロングホールでの2イーグルは圧巻だった。ツアー制度施行の1973年以降、最も背の低いメジャーチャンピオンとなった。

 かつて日本オープン(1968)、日本シリーズ(1968,69)を制した河野高明は、162センチと小柄ながら、マスターズでは4つのイーグルを奪う活躍で「リトル・コーノ」の異名を取った「小さな大選手」。この日の比嘉も、2番ではグリーンの奥からチップインイーグルを演じ、15番でも2オン1パットで2つ目のイーグルを奪った。「パー5、3つで5ストローク伸ばすことができて、ついてました。実はこのコースが苦手で大会が近づくにつれて憂鬱になるほどでしたが、予選を通ることが出来て、優勝することもできて、宍戸ヒルズ、大好きです」と爆笑を誘った。

 オーガスタのパー5でイーグルを量産した「リトル・コーノ」の姿こそ、比嘉が世界の舞台で目指すべきプレースタイルなのかもしれない。

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