◆国内男子<ファイナルQTトム・ワトソンゴルフコース 12月5日〜9日 トム・ワトソンゴルフコース(宮崎県)6984ヤード・パー72>
ツアー7年目の篠優希が、最終日の猛チャージで来季の男子ツアー出場権を獲得した。
JGTOファイナルQT最終日(9日)、篠は10バーディー、ノーボギーの10アンダー“62”でプレー。通算13アンダーで16位タイから首位に浮上。規定により、来季1年間のツアー出場権を獲得した。2位以下は、試合によって出場できる人数が異なるが、順位によって出場権が得られる。2位は通算10アンダーの武藤俊憲。竹谷佳孝は同スコアだがカウントバックで3位となった。
復調した篠優希は満面の笑み
小学生時代から全国大会でプレーし、杉並学院中学から代々木高校に進み、在学中の2015年に日本ジュニアで優勝。その年、QTに挑んでファイナルまで進みプロとなった篠。翌2016年はチャレンジツアーでプレーしたが、その後は苦闘が続いていた。
プロにとっては生命線でもあるドライバーショットの不調に悩み、試合にもなかなか出られない。それが、21年にはQT4位まで復調し、2022年は14試合に出て賞金ランキング106位というところまでよみがえってきた。
昨年の5月頃から見てもらっている中井学コーチに、「サード(QT)前に見てもらって」と仕上げて臨み、好結果につなげた。この日のプレーは、その集大成といってもいいだろう。来季に向けて表情が明るいのはそのためだ。
来季の目標はシード獲得と、賞金ランキング3位以内に入って提携した欧州ツアーへの出場権を手にすること。JGTOが掲げるQTのキャッチコピーは、“ツアーの主役へ駆けあがれ!”それを体現することができるのか。開幕が楽しみになってきた。
42歳の竹谷佳孝と44歳の武藤俊憲が上位でフィニッシュ
竹谷佳孝と武藤俊憲。いずれも男子ツアーでは“シニアまでの時間”といわれる難しい年齢の2人が、上位でQTを切り抜けた。
竹谷は、体の痛みから来るスイング改造というプロとして厳しい1年を過ごしてきた。来季ほとんどの試合に出場できる3位でQTを終え、ホッと一息ついた。
2014年にはツアー選手権優勝の実績を持つが、その5年シードが途切れる2019年もギリギリでシードを確保。2020-2021年もそれを維持したが、2022年は体の痛みと思うに任せないスイングに苦しんだ。
結果は賞金ランキング75位。QT行きを余儀なくされた。だが、3日目にイーグル発進して波に乗って首位に立つと、最終日も2アンダー。しっかり3位を死守。43歳になる2023年も、無事“職場”を確保した。
一方、ツアー7勝の武藤は、イーグル発進から4つのバーディーを奪ったが、ボギーも3つ。積極的にプレーした結果、3位タイから2位に浮上し、笑顔を見せる。
初日、チャンスをことごとく決めて9アンダーと首位発進しただけに、爆発力には定評がある。だが、お隣のフェニックスCCで優勝した2011年を思い出しつつも、2022年のシーズンは今一つ。来季こそ巻き返しを狙う。
ベテラン2人は苦戦。手嶋多一56位、藤田寛之57位
経験豊富なベテラン2人は上位に入ることができなかった。
ツアー18勝、2012年には賞金王の経験もある藤田寛之は、初日16位タイとまずまずのスタートを切ったが、2日目に3つスコアを落とし、その後も伸ばせず通算2オーバー57位タイに終わった。
2020-21シーズンに、賞金ランキング70位となって23年間守っていたシード権を喪失。2022年は、生涯獲得賞金25位以内の資格でプレーしていた。だが、今年は一念発起して26年ぶりというQTに挑んだが、多くの試合に出場する順位を得ることはできなかった。
2023年は、主催者推薦などが得られた試合に出場しつつ、シニアと2つのツアーでプレーすることになる。