◆国内男子プロツアー<Shinhan Donghae Open 2022 9月8日~9月11日 KOMAカントリークラブ(奈良県)7065ヤード・パー71>
3年ぶりに復活した韓国・アジア・日本の3ツアーによる共催大会「Shinhan Donghae Open 2022」最終日。首位に5打差の5位でスタートした比嘉一貴(27)が、スコアを6つ伸ばす65をマーク。通算20アンダーにまでスコアを伸ばし、首位スタートのティラワット・ケーオシリバンディット(タイ)を逆転。今季3勝目となるツアー通算5勝目をあげた。
ケーオシリバンディットは3番でアルバトロスを奪ったものの、出入りの激しいゴルフで結局18アンダー。チョ・ミンギュ(韓国)、シン・ヨング(カナダ)とともに2位タイに終わった。
圧巻の連続バーディーフィニッシュでガッツポーズ
158センチ、70キロ。小柄だが屈強な体に秘めた比嘉のパワーが、上り2ホールで炸裂した。17番のパー5では2オン2パットのバーディー。
最終18番、389ヤードのパー4は、第1打をグリーン右サイドのバンカーへ。そこからピンを約6メートルもオーバーしたが、下りのスライスラインを左カップからねじ込んでバーディー。派手なガッツポーズで鮮やかな逆転劇を締めくくった。
してやったりの今季3勝目。賞金王レースで主導権を握りつつ、高額大会が続く秋の陣へと突入する。その顔には賞金王への意欲がのぞいた。
「これで優位に立てたかな、と思います。ビッグトーナメントが続くんで、勝てるように来週以降も頑張りたい」ときっぱり言い切った。
賞金王の先にあるのは海外制覇
6月のツアー選手権で3打差をひっくり返したのに続き、今大会は5打差を逆転。
鮮やかな逆転劇がすっかり板についた感じだが、それ以上にうれしいのは、今大会が共催大会であること。大会の優勝者には3ツアーの2025年までの出場権が与えられることが、大会前に発表されていたからだ。
「今季3勝目を共催試合で優勝できたというのがうれしい。海外で活躍したいと思っていたところで、ここで優勝できて、扉が開けたかなという感じです」と、海外雄飛への夢と自信をのぞかせた。
アルバトロスも優勝に結びつかなかったケーオシリバンディット
一方、アジアンツアーの常連であるタイのケーオシリバンディットは、首位でスタートしながら、ジェットコースターに乗ったかのような浮き沈みの激しい1日となった。
2番でボギーが先行した直後の3番、604ヤードのパー5。残り278ヤードの地点から3Wを振りぬくと、ボールはグリーンで2バウンド、3バウンド目でカップに飛び込むアルバトロスだ。
続く4番でもバーディーを奪った時には通算22アンダー。独走態勢に入るかと思われたのも束の間、5番のパー3では右に大きく押し出し林へ。このホールでダブルボギーを叩いてしまい、自分で試合を面白くしてしまった。
終盤まで優勝のチャンスを残しながらも、16番からボギー、バーディー、ボギーで結局2打差の2位タイ。アルバトロスも手放しで喜べない、ほろ苦さの残る最終日となった。