◆国内男子プロツアー<日本シリーズJTカップ 12月1日〜4日 東京よみうりCC(東京都)7023ヤード・パー70>
首位に4打差の5位タイからスタートした谷原秀人が5バーディー、ノーボギーの65をマーク。通算12アンダーにスコアを伸ばし、逆転で昨年の今大会以来1年ぶりのツアー通算17勝目を飾った。日本シリーズの大会史上6人目となる大会連覇も達成。1打差の2位タイには最終組でラウンドした出水田大二郎と、最終日65で回った岩田寛、チャン・キムの3人が入った。
ダブルボギーになってもおかしくなかった最終18番ホールでパーセーブ
2位に2打差をつけて首位でスタートした小平智がスコアを伸ばせず、サンデーバックナインは3打差に8人がひしめく大混戦。
そんな中、ベテランの味を存分に発揮してリーダーボードを駆け上がったのが、44歳、選手会長の谷原だった。
17番パー5はピンの手前10メートルに2オン。2パットのバーディーで通算12アンダー。単独トップに立つと、最後18番パー3はグリーンをショートさせてパーを狙う。
しかしアプローチはピンを2メートル近くオーバーする大ピンチ。だが谷原は、右から左へと大きく切れるダウンヒルのパットを表情も変えずにきっちり沈めた。
値千金のパーセーブを決めると右手で小さくガッツポーズ。優勝をグイっと手繰り寄せ、後続の上りを待った。
2018年の覇者・小平智は勝負の17番で痛恨のボギー
2日目に首位タイ、3日目は2位に2打差をつけて単独首位。優勝に王手をかけて臨んだ小平だったが、スコアを2バーディー、2ボギーとスコアを伸ばせないまま終盤へ。
大混戦となる原因を自ら作った末に、535ヤードの17番パー5で痛恨のミスが出る。
フェアウェー左サイド、残り215ヤードと2オンが狙える絶好の位置からの第2打は5番アイアン。だがボールはグリーン奥にキャリーして、奥のバンカーに転がり込んだ。しかも勝負をかけた3打目が、ピンをショートして右への傾斜を転がりグリーンを出てラフへと転がっていった。
4打目のアプロ―チも3メートル近くオーバー。パーパットまでもがカップの右を抜けてボギー。首位の谷原とは2打差がつき、結局最終ホールもパーに終わり5位タイに沈んだ。
6人目となる大会連覇
2015、16年の「HEIWA・PGMCHAMPIONSHIP」以来、2度目の同一大会連覇を成し遂げた谷原は、「まさか日本シリーズで連覇できると思っていなかったので、うれしい」と喜びをかみしめた。
日本シリーズの大会連覇は、2度マークしている尾崎将司(1971・72年、1995・ 96年)をはじめ、河野高明(1967・68年)、青木功(1978・79年)、尾崎直道(1990、91年)が記録し、大会史上最長となる3連覇は2010~12年の藤田寛之がただ1人達成している。
来年は出場15回目。東京よみうりの攻略法を手の内に入れている谷原だけに、藤田と肩を並べる偉業達成は十分期待できそうだ。