「いるよ。年上だから、先週もエアコンの効きが微妙だった1993年生まれのボルボくん」
そう答えると、大体の人は一瞬フリーズして、それから「……えっ?」と絶妙な顔をする。そのリアクションを見るのが、最近の密かな楽しみだったりする。
効率のいい毎日に、ちょっとした「ギャップ」

仕事もプライベートも完璧や効率が求められるのが当たり前な時代だからーーー。
ちょっとぐらい思い通りにならなかったり、手が掛かるぐらいの方が「完璧じゃなくてもいいんだ」って、ほっとしたりする。最新のハイテクに囲まれた優等生な日常に息が詰まりそうになったとき、私はハンドルを握る。
トレンドの最新SUVでも、要領のいいコンパクトカーでもない。四角くて無骨な鉄の塊。ネオクラシックのボルボ240エステート。
ちょっと厄介で、最高に愛おしい彼氏との暮らし 笑

もちろん、この彼氏は現代の車みたいにすべてがオートで快適、、、なんてわけにはいかない。ドアは重たいし、機嫌が悪いとエアコンの効きは悪い。
それでもありがたい事に、このボルボ240エステートは信頼できる旧車専門店が存在しているから安心できる。
ただここで一つだけ重大なお作法(注意点)がある。
それは、「絶対に1991年式以降(理想は1993年式の最終モデル)を選ぶこと」。
その理由は、なんといっても「エアコン」にある。
1992年までのモデルは、古過ぎて修理をすると多額の費用がかかるうえ、肝心のエアコンの利きもあまり期待できない。さらに、1991年式以降じゃないと壊れた時にボルボ専門店でもパーツの入手がかなり難しくなってくるのだ。
手のかかる愛おしい彼氏だからこそ、その後のメンテナンスまでまるごと任せられる専門店で出会う事が大事。
でも、その「一筋縄ではいかない不器用さ」が、いつも完璧を求められてすり減っている現代人の心に、不思議と人間味や温もりを教えてくれる。手がかかる子ほど可愛い、とはよく言ったものだと思う。
私を機嫌よく保つための、最高に贅沢なトリートメント
歴史あるゴルフ場の駐車場なんかに行くと、周囲に並ぶピカピカの最新SUVのなかで、カクカクとしたボルボの横に、自分のゴルフバッグを立てかけてみる。
――あ、私、今日のスタイルすごくいいかも。
スコアがどうとか、効率がどうとか、そんな世間の物差しはここにはない。 正直、最新の軽自動車よりも維持費はかかるし、快適なハイテク装備もない。
ボタンひとつですべてお任せの「楽ちんなお買い物」を求めている人には、正直おすすめ出来ない。
だけど、この手間のすべてを笑って愛せる人にとって、このボルボくんは人生の景色を劇的に変えてくれる。それはまるで、古びたアンティークの家具を部屋に迎えるような、自分を機嫌よく保つための最高で贅沢な人生のトリートメントだ。
HANDS-ON INFO(スポット・相棒情報)
- 今回の相棒:ボルボ / 240エステート(ネオクラシック)
- 現実的な相場:約150万〜230万円
- 賢く迎えるための鉄則:
- 信頼できる「ボルボ旧車専門店」での購入がマスト(パーツ入手やコンディション維持のため)。
- エアコン問題とパーツ供給の観点から、1991年式以降(理想は1993年式の最終モデル)を選ぶべし。
- こんな人におすすめ:効率やタイパばかりの毎日に疲れていて、不器用な相棒と暮らす手触りのある時間を愛せる人。
- Image Source 写真・画像提供:WEB CARTOP
Written by:MEDIA MAN.





