自分の安全は自分で確保する。外部からやってくる危険から身を守る以前に、自分がケガをしたり、病気になったりしないようにすることは、ゴルフも日常生活と同じように考えましょう。2回目のテーマは思わぬケガや病気に関してです。
なめてはいけない熱中症の恐ろしさ
楽しくゴルフをするためにはケガをしないようにすることが大切です。
いきなり全力疾走してもケガをしないのは子供だけ。日頃から健康を維持するとともに、コースに出る前にストレッチなどをして身体的な準備ができるように、早めにコースに到着するのは基本中の基本です。自分で運転してきてギリギリに到着し、腰を痛める…などというのもよくある話。同じ姿勢で固まってしまった身体をほぐす時間くらいは欲しいものです。
コース内を歩いている時も、油断するとケガをします。コースの段差や傾斜、芝に隠れた穴につまずく。ボールを探しに行って傾斜で滑る。滑るのを防ごうとして腱を痛める。みなさん一度はやらかしたことがあるのではないでしょうか。
最近では、ごく当たり前になってきた熱中症の予防も大切です。
前日にお酒を飲みすぎない、水分は欲する前に補給する。飴やタブレットで塩分を補給する。日焼け止めを塗る。氷のうやタオルなどで首筋や脇を冷やす…。こういうことを行うだけで、十分予防にはなるはずです。
実はゴルフ場で倒れる事例はかなり多い
また、心疾患や脳卒中で、ゴルフ場から緊急搬送されるというケースも時々あります。
激しい運動ではないゴルフですが、朝早いことや、前日あるいは当日の飲酒、プレー中の喫煙などの危険因子に加え、気持ちのアップダウンが激しいことがあります。
朝一番のティーショットや勝負がかかったパットなど緊張する場面はたくさんあり、急に心拍数や血圧が上がることを実感している方もいるでしょう。
防止するためには、第一に生活習慣病からできるだけ縁遠い生活を送ってリスクを減らすこと。あとは、睡眠を十分にとって余裕を持ってコースに行き、気持ちに余裕を持ってプレーすることです。
また、具合が悪くなったらプレーを続けず、休憩したり病院に行くことです。ゴルフ場でのいわゆる突然死は、決してレアケースというわけではないのです。
落雷による事故にも気を付けないといけません。
気象庁のホームページによると、周囲の開けた場所にいると、積乱雲から直接人体に落雷(直撃雷)することがあり、直撃雷を受けると約8割の人が死亡するそうです。
雨が降り出していなくても、避難を促すサイレンや放送があったらすぐに逃げましょう。木の下に逃げ込むのはNGです。その木に落雷すれば、そばにいる人に雷が飛び移って感電することがあるからです。
売店や避雷小屋などの避難場所があれば、軒下でなく建物の中に避難しましょう。カートも安全ではありません。安全な場所まで逃げることができなければ、クラブを自分から離して、できるだけ低い姿勢を取ります。バンカーはくぼみになっているので、その中でしゃがむという方法もあります。
自然の中でやるゴルフでは、自分の身は自分自身で守ることしかできないのです。
文/小川淳子