◆国内男子プロツアー<カシオワールドオープン 11月24日〜27日 Kochi黒潮カントリークラブ(高知県)7335ヤード・パー71>
昨シーズンの賞金王、チャン・キムが、最終日も10バーディー、ノーボギーの62をマーク。初日から首位を走る完全優勝に加え、通算32アンダーのツアー最多アンダーパー新記録も樹立した。キムは昨年の「ダンロップフェニックス」以来のツアー通算8勝目。首位に1打差の2位でスタートした岩﨑亜久竜も67と伸ばしたが、6打差の2位に終わった。また、比嘉一貴が12アンダーの37位でフィニッシュ。この試合で初の賞金王を決めた。
実力差歴然!楽々の完全V
今月10日に母国韓国での挙式を控えているキムが、最終日も圧倒的な強さを見せつけた。
1打差の2位から逆転を狙った岩崎も1番からバーディーを奪う好スタートを見せるが、キムもこのホールをバーディー。5番ホールまでに2ボギーを叩く岩﨑との差を着実に広げ、2位との差は前半のハーフを終えた時点ですでに4打差まで開いていた。
その後も後続との差は縮まるどころか広がるばかりで、スリリングな展開とは程遠い内容。興味は、2014年「TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central」で、ホ・インへ(韓国)が樹立したツアー最多アンダーパー記録(28アンダー)をいくつ更新するかに移ってしまった。
上がり3ホールも3連続バーディーで完ぺきなフィニッシュ。優勝を決めた瞬間、キムは余裕の表情を浮かべながら、右手でガッツポーズを作った。
今月4日から7日まで行われた米2部のコーンフェリーツアーの出場予選会に挑戦し、通算13アンダーの2位に入り、すでに開幕から12試合の出場権を確保。
今大会でも「32(アンダー)なんてなかなか出るスコアではない。長く記録が残ればいいな」と余裕たっぷりに語った。結婚も目前にして幸せの絶頂期にあるキムにとって、まさにいいことづくめの最終日となった。
「リトル・ヒガ」誕生への期待
逆転賞金王に2連勝が必要だった賞金ランキング2位の星野陸也は19アンダーの8位。今大会12アンダー37位タイだった比嘉一貴の賞金王が決定した。
比嘉自身、トップを走り続けてきた重圧はあった様子で、「少し、ホッとしたというか、肩の荷が下りたという気持ちがあります」と、解放された喜びを表現した。
優勝したキムが188センチ、2位の岩﨑が181センチ、賞金王を争った星野も186センチ。パワーゴルフ全盛のゴルフ界は、体格にも恵まれた選手が多いだけに、小柄な比嘉はなにかと比較されがち。
「身長158センチというところで注目してくださったのもあると思う。僕が賞金王に就くことで、誰にでもチャンスがある、と多くの方が思ってくださったら嬉しい」と話した。
マスターズに1969年から73年まで5年連続して出場し、最初の年に13位に入った河野高明は162センチと小柄なこともあって「リトル・コーノ」の異名とともに、そのプレーを称賛された。
海外参戦も増えるであろう比嘉にも、「リトル・ヒガ」と呼ばれるような大活躍を演じてほしいもの。
注目のシード争い!初シード獲得は12人
今年のシーズンは今週の最終戦、エリートトーナメントの「日本シリーズJTカップ」を残すのみ。賞金ランク上位65位までに与えられる賞金シードが決まった。
初シードは岩﨑亜久竜、桂川有人、河本力、大西魁斗ら12人。一方で、竹谷佳孝、秋吉翔太ら優勝経験者がシードを維持できなかった。