山下美夢有VS岩井ツインズ、第1回リランキングの明暗『ニチレイレディス』ハイライト

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(左から)岩井明愛、山下美夢有、岩井千怜 写真:Getty Images

◆国内女子プロツアー<ニチレイレディス 6月16日~6月18日 袖ケ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県) / 6621ヤード・パー72>

山下美夢有が岩井ツインズとの戦いを圧倒的な強さで制し、シーズン4勝目を挙げた『ニチレイレディス』。シード選手以外にとって重要な第1回リランキングも行われた。もはや恒例になりつつある3人の優勝争いとともに、今大会までの結果で次週以降の出場順位が決まる第1回リランキングの結果について振り返る。

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家族が支える山下美夢有の強さ

女王・山下美夢有は今季4勝目 写真:Getty Images

 “横綱ゴルフ”だった。4打差単独首位から、丁寧な忍耐強いゴルフで、終始同じ組の岩井明愛、千怜ツインズを圧倒。飛距離もある2人の活躍を、「いい刺激になりますし、私ももっともっと頑張ろうと思います」と、エネルギーとして取り込んだ。

 通算10勝目。宮里藍の20歳105日に次ぐ、ツアー史上2番目の若さとなる21歳320日での達成だ。

 「早いなと思いますね。前半で4勝もできたので」と言うが、まだまだ勝ち続ける気持ちは強い。優勝した試合の帰り道でも反省するというハングリーさが、強さの裏にある。

 この日は父の日。山下にとってコーチでもある父、勝臣さんに、優勝という最高のプレゼントを贈った。

 「プロになってから、1人でできるスポーツじゃないですし、いろんな方に支えられないとできないと思ったので」と、感謝の気持ちを深くしたことを打ち明ける。

 関西アマで優勝するなどしている弟、勝将さんの活躍も、モチベーションの1つになっており、家族に支えられながら戦い続ける。

岩井ツインズが父の日に実現した「2人で最終組」

2位に入った岩井明愛(左)と3位タイの岩井千怜 写真:Getty Images

 優勝こそできなかったが、岩井ツインズも父の日に2人での優勝争いを見せた。

 同組でのプレーも、プレーオフもともに経験したが、最終日最終組で激突した双子はツアー史上初。次から次へと“史上初”を塗り替えるツインズは、そろって最後まで山下にくらいついた。

 「父の日ですし、2人の夢でもあった最終日を今日実現できてすごいうれしいですし、1日がすごい楽しかったです」と姉の明愛が言えば、妹の千怜も笑顔で言った。「夢のような時間。見ている人もたくさんいたので、そういう舞台で2人で一緒に回れたっていうのはいい時間だったなと思います」

 国内ツアーだけでなく、全米女子オープン、全英女子オープンのメジャー2試合にも、揃って出場することが決まっている2人。ツインズの活躍は世界へと羽ばたいていく。

第1回リランキングの明暗

 今大会はシーズン最初のサバイバルレースでもあった。大会終了後に行われる第1回リランキングがそれだ。

 これまでの試合では、昨年のステップ・アップ・ツアー賞金ランキングトップ2、昨年のメルセデスランキング51位から55位、QTランキング上位の選手などの出場優先順位が高かったが、今大会終了時点のメルセデスポイント順に、シード選手以外のランクを更新。これが、次戦、『アースモンダミンカップ』(22~25日、千葉・カメリアヒルズCC)から、第2回リランキングが行われる『ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン』(9月22~24日、宮城・利府GC)までの出場優先順位となる。

 出場できる人数は試合によって異なるが、ほとんどの試合に出られる“安全圏”は、35位程度までとみられている。

リランキング27位に入った鶴岡果恋(写真は2023年ヤマハレディース) 写真:Getty Images

 今大会で5位タイに入って、リランキング27位にジャンプアップしたのが鶴岡果恋だ。ファイナルQT65位、大会前の暫定リランキング36位と微妙な位置にいたが、3日間、60台でプレーして結果を出した。

 「今週の目標が15位以内。それを目指してたらそれよりもよかったので、後半戦出れるようになりました」と、笑顔を見せた。

 QTランキング82位から大きくジャンプアップしたのは比嘉真美子だ。『アクサレディス』の2位が効き、7試合で175.06ポイントを獲得してリランキング11位。中盤戦の出場を確実にして、復活優勝に挑む。

 QTランキング1位の若林舞衣子はリランキング31位。QT2位の木下彩はリランキング36位と、ギリギリで来週以降に望みをつないでいる。

 35位以上ではないため出場できる試合は限られるが、今大会でリランキングを上げて今後の可能性を広げた選手もいる。

 QTランキング133位で、今大会がシーズン初戦だった東浩子の大会前のポイントは当然のようにゼロ。だが、8位タイで40ポイントを稼ぎ、リランキングで44位に入った。

 QTランキング30位で16試合に出場しながら、大会前の暫定リランキング54位と苦しい位置にいた吉田弓美子は、今大会22位タイでリランキング45位となり、出場できる試合は少なくとも今後の可能性を残している。

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