練習場がないゴルフ場があるのはどうして?【ゴルフ初心者の疑問に答える】

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ゴルフ場でラウンドするようになると「スタート前に練習したほうがいいよ」とよく言われます。でも、ゴルフ場によってはショットの練習場が存在しない施設もあります。また、距離が短くてドライバーや長いクラブが打てない練習場もあります。どうして練習場の扱いがこんなに違うのでしょうか。

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練習場の有無はゴルフ場を開発した会社の考え方が反映されている

 ゴルフ場に練習場があるかないか、距離が長いか短いか、打席数が多いか少ないか、これらは基本的にゴルフ場を最初に開発した会社の考え方が反映されています。

 ゴルフ場をスポーツ施設と考えた場合、練習場は必要不可欠な設備です。スポーツをするのに準備運動をする場所がないのは好ましくありません。しかしながら、ゴルフ場をレジャー施設と考えた場合、練習場はどうしても必要な設備ではなくなります。

 ゴルフ場は大人の社交場と言われるように、人々が集まって交流を深める場所です。今から20年ほど前までは、朝、練習場に行こうとすると、「練習なんかやらなくていいからレストランで1杯つき合えよ」と目上の人から誘われていました。

 1杯というのはお酒のことです。ほとんどの人はビール、中には日本酒を飲まれる人もいました。お酒が飲めない人はコーヒーやコーラで会話に加わっていました。同伴者と交流を深めるという意味では、練習場に行っても交流が深まるわけではありませんから、レストランで会話を楽しむのが正しい過ごし方だったのでしょう。

 実際、2002年から2009年にかけて飲酒運転が厳罰化される以前は、ゴルフ場で朝からお酒を飲むのは一般的でした。練習場に行く人よりもレストランでお酒を飲んでいる人のほうが多かったと思います。

 練習場を利用する人がそんなに多くないのであれば、そのために用地を取得し、防球ネットを張って安全性を確保し、人員を配置してボールの回収・洗浄作業を行う必要はないと考えるゴルフ場開発会社の経営者は少なからずいました。

練習するなら練習施設が充実しているゴルフ場を選ぶしかない

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 2000年代に入ってから日本のゴルフ場業界は経営交代ラッシュが起こり、ゴルフ場運営に新規参入する企業が続々と出てきました。

 その中には練習場の存在を重視する経営者もいたため、練習場がなかったところでも、ネットで囲まれた通称“鳥かご”と呼ばれる10打席前後の練習場を設置したり、老朽化していた練習場に設備投資してリニューアルしたりするケースもありました。

 ただ、練習場への設備投資は、プロゴルフトーナメントを誘致するなどの明確な目的がないと予算を取るのが難しいです。アマチュアゴルファーがゴルフを楽しむことが主目的の施設では、練習場がないまま現在に至っているところもあります。

 練習場の有無、打席数、ヤーデージは、ゴルフ場の公式ホームページやゴルフ場予約サイトに記載されています。アプローチ練習場やバンカー練習場の有無が記載されていることもあります。

 スタート前に練習したいのであれば、練習施設が充実しているゴルフ場を探して予約するのが適切な選択になります。

文/保井友秀

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