ゴルフ場のクラブハウスのトイレにはハンドタオルが置いてあることが多いです。他のレジャー施設やホテルなどでは、濡れた手を拭くための設備はペーパータオルが主流ですが、ゴルフ場はなぜハンドタオルなのでしょうか?
トイレのハンドタオルは洗顔後に濡れた顔を拭くため
ゴルフ場を初めて訪れたとき、クラブハウスのトイレにハンドタオルが置いてあるのがどうしてなのか気になって仕方がありませんでした。
一緒に行った先輩に「なんでハンドタオルが置いてあるのですか?」と聞いたところ、「洗面台に飛び散った水滴を拭き取るため」と教わりました。
「ゴルフは後続のプレーヤーがキレイな状態でプレーできるように元に戻すのがマナー。フェアウェイには目土、バンカーはバンカーならし、グリーン上ではピッチマークを直す。それと同じで、洗面台も次の人がキレイな状態で使えるようにハンドタオルで拭き取る」とのことでした。
ところがその後、ゴルフ場関係者の話をするうちに、そういう目的でハンドタオルを置いているわけではないことを知りました。
ゴルフ場関係者の話を総合すると、「どこのゴルフ場が最初にハンドタオルを置き始めたのか定かではないが、洗面台で顔を洗った後に濡れた顔を拭くためにハンドタオルを置いたら便利だったので、それが全国のゴルフ場に広まった」というのが真相のようです。
その証拠に、経費削減でハンドタオルを廃止し、ペーパータオルに切り替えたゴルフ場は、必ずと言っていいほど「顔を洗った後にペーパータオルでは拭きにくい。ハンドタオルはないのか」とクレームが入るそうです。
ゴルフはドレスコードでタオルを首にかけるスタイルが禁止されています。それであれば、洗面台で顔を洗った後に拭く用のタオルはゴルフ場で用意してくれということになったのでしょう。
ロッカールームの新聞紙は濡れたシューズの水気を取るため
トイレのハンドタオルのほかに、ロッカールームや風呂場の脱衣所に新聞紙の束が置いてあるのも最初は謎でした。
その理由を先輩に聞いてみると、「ゴルフシューズが濡れたときに、シューズの中の水気を吸い取るために、新聞紙を丸めて詰め込む」とのことでした。
これは実際にそのとおりで、雨が降った日などはシューズの中がびしょびしょになります。その状態でシューズケースに密閉して持ち帰ると、イヤなにおいが出たり、そのまま放置するとカビが生えたりします。
新聞紙を詰め込んでおくと水気を吸い取ってくれるので、家に帰ってから新聞紙を取り出すと水濡れがかなり解消されています。これをドライヤーで乾かすと元の状態に戻ります。
気の利いたゴルフ場は新聞紙置き場に「シューズ用にお使いください」と書かれていますが、多くのゴルフ場は新聞紙が束で置いてあるだけですから、新聞を購読したことがない若い人たちは何に使うかまったく想像がつかないかもしれません。
これからの季節は雨の日だけではなく、暑い日も汗でシューズがびしょびしょになることがあります。そんなときは新聞紙を使ってみてください。
文/保井友秀