渋野日向子のゴルフは今季もドラマチック!?畑岡奈紗メジャー制覇の悲願は次戦へ

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(左から)渋野日向子と畑岡奈紗 写真:Getty Images

◆海外女子プロツアー<シェブロン選手権 4月20日~4月23日 ザ・クラブatカールストン・ウッズ ジャック・ニクラウス シグネチャーC(テキサス州)  / 6824ヤード・パー72>

渋野日向子がシーズン最初のメジャーで、ショットの調整に悩みつつも上向きの気配を見せた。1972年に始まり、1983年にはメジャーに昇格し、カリフォルニア州ミッションヒルズCCで歴史を重ねた大会は『シェブロン選手権』となった2年目の今年、テキサス州のザ・クラブatカールトンウッズに舞台を移して初めて開催された。出場した日本勢は、渋野、笹生優花のメジャー優勝者を始め、畑岡奈紗、古江彩佳、勝みなみ、西村優菜、西郷真央と、昨年の全米女子アマ優勝者、馬場咲希の8人。その中で一番上位に入ったのが28位タイとなった渋野だった。

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ダボ発進から見事なショットも見せた渋野

渋野日向子は日本勢最上位の28位タイ 写真:Getty Images

 ダブルボギーを叩いたり、スーパーショットを見せたり…。渋野がドラマチックなゴルフを披露した。

 通算1アンダー29位タイからの追い上げを狙った最終日。しかし、出だしは最悪だった。

 1番。傾斜のあるグリーンにキャリーした第2打は、跳ねて右へ。アプローチを寄せきれず、7メートルのパーパットが1.2メートルオーバーしてしまう。返しも入れられず、3パットのダブルボギー。通算1オーバーにスコアを落として、残り17ホールで巻き返さなくてはならなくなった。

 忍耐強くパーを重ねて、9番で5メートルを沈めてバーディー。なんとかイーブンパーでバックナインに入った。

 11番ボギーの後、最高のショットを見せたのが15番。池に近いグリーンの右端にピンが立つホールで、渋野は果敢に狙っていった。

 見事な第2打は狭いエリアをとらえて2メートルのバーディーチャンス。これを沈めて、イーブンパーにスコアを戻して終盤に向かった。

 結局、16番をボギーとして、通算1オーバー28位タイに終わった。

 ダブルボギー発進からの18ホールを振り返り、「スタートがよくなかったので、なかなか流れに乗れなかった。ショットもバラバラで…」と渋い表情を見せた渋野だったが、15番の話になると一転して笑顔。「よかったです」と、手応えがあったことを思わせる。

 ジャック・ニクラウス設計のコースに「難しいピン位置もあって攻めるのが難しい」と言いながらも、自分のゴルフが思うようにいかなかったことで「それどころではなかった」と言った渋野。

 ドラマチックなプレーの中に光明を見出しつつも、落ち着かないゴルフに振り回された4日間となった。

畑岡は出入りの激しいゴルフで37位タイ

畑岡奈紗のメジャー制覇の悲願はまたも達成できず 写真:Getty Images

 プロになって最初のキャリアを米ツアーでスタートさせてから7年目。毎年メジャー優勝を目標に掲げる畑岡奈紗だが、今年も5つのうち最初の1戦は、優勝とは程遠い結果に終わってしまった。

 3日目に痛恨の4オーバーを叩き、この日は通算2オーバー50位タイからスタートしたが、1番でボギーが先行してしまう。4番、6番もボギーで通算5オーバーまでスコアを落としたが、なんとかここから踏ん張った。

 パー5の8番で第3打を50センチにつけて、この日初めてのバーディーを奪うと、9番も5メートルを沈めてバーディー。巻き返しの気配を見せた。だが、それも束の間、10番で左バンカーからボギーを叩くと、続く11番もボギー。再び5オーバーに転落した。

 それでも、このまま終わらないのが畑岡の底力。残り7ホールで3つのバーディーを奪って、5バーディー、5ボギー。通算2オーバーにスコアを戻し、順位を37位タイに上げて大会を終えた。

 他の日本勢は、古江彩佳が通算6オーバー52位タイ、西村優菜が通算8オーバー56位タイ、西郷真央が通算11オーバー65位タイ。勝みなみ、笹生優花、馬場咲希の3人は予選落ちしている。

プレーオフはリリア・ブに軍配!メジャー初優勝

 優勝争いに最後まで残ったのは、リリア・ブ(米)と、エンジェル・イン(米)だった。

 15番まで通算11アンダーで、初優勝をメジャータイトルで飾るべくプレーしていたインだったが、終盤、苦しんだ。

 16番でバンカーからボギーを叩くと、続くパー3の17番でも右手前のバンカーからボギー。通算9アンダーで、すでにホールアウトしているブに1打ビハインドとなった。

 パー5の18番では、ネガティブになりそうな気持を切り替えてピン上7メートルに2オン。2パットのバーディーでブに追いついて、勝負をプレーオフに持ち込んだ。

 しかし、気温がぐんぐん下がる中、18番で行われたプレーオフ最初のホールで悪夢が待っていた。

 フェアウェーから5Iで打った第2打がグリーンをショートし、池に捕まってしまう。打ち直しの第4打は3メートルに乗ったが、3メートルのパーパットが残った。

 対するブは、インを35ヤードアウトドライブしたフェアウェーからの第2打がグリーンオーバー。

 フラットなライからパターでの3打目は3.5メートルと微妙な距離を残した。だが、下りでラインでややこしいこのバーディーパットをしっかりと打ってカップイン。勝利を手にした。

 2023年『ホンダLPGAタイランド』に続くツアー2勝目がメジャータイトルとなり、「言葉にできない」と歓喜したブ。大会恒例の池へのダイブを、コースが変わっても行った最初の選手となった。

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