スポーツだけど、服装が気になる…。ゴルフを始めたばかりの方が必ずと言っていいほど疑問に思うのが、ゴルフ場のドレスコード。コースによって違うそれと、どう付き合っていくのがいいのか。ゴルフをしやすい服装から、ドレスコードを考えてみると、やがて、ゴルファー自身のゴルフスタイルが見えてくるはずです。
ゴルフ場には何を着て行けばいいの?
「どんな格好して行けばいいの?」―初めてゴルフ場に行く人の多くから、よく尋ねられます。
>>ゴルフでマナーが大切なワケとは!? 一緒にプレーしたいゴルファーになる条件
「ゴルフ場はドレスコードなどに気をつけなければいけない」ということは何となく知っているけど、実際にどうしたらいいかわからない。その気持ちはよくわかります。
この質問に対する答えを一言でまとめると、「プレーするコースによって違います」というものになります。理由はドレスコードというものが存在するコースが多く、その内容がそれぞれ違うからです。
基本的には、誰でもプレーできるパブリックコースのドレスコードは比較的緩やかです。これに対して、メンバーシップ(会員制)のコースの中には、非常に厳しいドレスコードがあることも。
メンバーシップコースというのは、自分たちでルールを決めて、それを守ることで自分たちの思うようなクラブライフを送ろうとしているところです。つまり、メンバーでない人はゲストとして、そこに招かれている立場になります。
初めて行くゴルフ場がそうであるケースはあまり多くないと思いますが、よそのお宅に招かれてゲストで行くと考えれば、「服装から整えたい」というふうに、それに沿う形にするのは自然なことですよね。
ジャケット着用が必須でスニーカー禁止など、クラブハウスへの出入りの際のドレスコードと、プレーする時のドレスコードがそれぞれある場合も多いので、心配な時には、招いてくださったメンバーの方に事前に確認しておいたほうが安心です。
ジャケットを忘れた人のために、クラブハウスの入り口に“貸ジャケット”が置かれているコースもありますが、これは珍しい例ですのでご注意を。
一方、誰でもプレーできるコースにも、ドレスコードがある場合も少なくありません。ベーシックなものがほとんどですが、念のためにこちらも事前にチェックしておけば安心です。
天候、安全確保が大前提
どこのコースに行く場合でも大前提として考えるのが、次の5つです。
①ゴルフをしやすい服装であること。②アップダウンがあって、場所によってはブッシュや林があるので危険のないようにすること。③18ホールプレーする間には天候の変化もあるので、調節しやすい服装であること。④日焼け防止、雨除け、危険防止のためにも、ハット、バイザーなどをできるだけ用意すること。⑤予報は晴れでも、できればレインウェアを持ってくること。
①については、動きがあるので当然なのは言うまでもありません。スイングするのはもちろんですが、歩くだけでなくしゃがんだり立ったりする動きが、意外にも多いのがゴルフ。ただ、動きやすいウェアがいいから、といっても前述のドレスコードに引っかかるようなものはNGです。
最近はかなりカジュアルなゴルフウェアも増えていますが、コースによって選択を変えることも必要になります。
②については、まずシューズに気をつけましょう。斜面や積もった枯葉の上でのスイングで滑ることも多いので、ゴルフシューズを用意してください。ショートパンツなどがOKなコースでも、ブッシュの中に行くときは要注意。枝やとがった葉などで思わぬケガをすることがあります。
帽子嫌いの方に④を無理強いすることはありませんが、覚えておいていただきたいのは、ゴルフ場には思わぬ危険があるということ。
長丁場のラウンドで夏場に熱中症を予防したり、雨除けというのはもちろんですが、飛んできたゴルフボールが頭や顔に当たりそうになった時、帽子のツバが守ってくれた、というケースは意外に多いです。硬いゴルフボールが頭部に当たるのは、時には命にかかわります。同伴競技者だけでなく、よそのホールからボールが飛んでくることもあるので、できればあった方がいいですね。
⑤を説明する必要はないですよね。日本のゴルフ場の多くは、傘を用意してくれています。カートに積んであることがほとんどで、レインウェアなしでもプレーはできます。
ただ、濡れた芝でボトムから濡れてしまったり、強い風で傘が役に立たないこともあります。ボールを打つ瞬間は傘をさすこともできず、すぐに着替えができるわけではありません。動きやすいレインウェアが上下揃っているのが理想です。
ゴルフメーカーがゴルフウェアとして販売しているTシャツはOK?
ドレスコードにおいて、トーナメントでプレーしているプロゴルファーがお手本になるかどうかは、一概には言えません。試合の際はドレスコードもツアーの規定の下にあるため、必ずしも開催コースのそれと同じではないからです。
たとえば、日本の女子ツアーは、ジーンズや迷彩柄、カーゴパンツは禁止していますが、それ以外は「ゴルフメーカーがゴルフウェアとして販売しているTシャツに限り、着用することができる」などという言い回しで“逃げて”います。女子ツアーならではの華やかなウェア契約を考えてのことではありますが、様々なアパレルメーカーがゴルフウェア販売に参入する中、「ゴルフメーカーが」という文言をどう判断するのかは難しいところです。
時代とともに、ドレスコードは緩やかになってきており、ドレスコードがないことをうたっているコースも出てきてはいます。その一方で、現在も華美な色のウェアを禁止したり、フードの付いたパーカーを禁止するなど、細かいドレスコードのあるコースも依然として存在します。
どんな雰囲気の中で自分がゴルフをしたいのか。ゴルフを始めたばかりの頃は、そこまで考える余裕がないとは思いますが、徐々に見えてくる自分の気持ちを考えて、プレーするコースを選択したり、臨機応変に対応すれば、“Happy”なゴルフライフが送れるのではないでしょうか。
文/小川淳子