◆国内女子プロツアー<アースモンダミンカップ 6月23日~6月26日 カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県) 6639ヤード・パー72>
金田久美子は11年ぶり、ささきしょうこは4年ぶり、永井花奈は5年ぶりの復活優勝に手が届かなかった。アース・モンダミンカップ最終日の最終組で優勝争いをくりひろげた3人だったが、そろって苦しい戦いを強いられた。タフな表情を見せるコースで踏ん張り切れず、追い上げた木村彩子に逆転優勝を許す結果となった。三者三様の最終日を追った。
リードを守れなかったささきしょうこ「ホントに悔しいの一言です」
通算7アンダーの単独首位でスタートしたささきは、2打のリードと風が強いコンディションを考えて、焦らず、イーブンパーで回ることを目標にした。だが、連日の風で硬くなり、ラフも伸びているコースは牙をむきだし、そうは問屋が卸さない。
1番、4番、9番でボギーと、一気に貯金を吐き出した。折り返しても立て直すことができず、11番ではダブルボギー。12番で唯一のバーディを奪い首位に並んだが、すぐさま木村に追い抜かれた。
それでも、最後の18番をバーディにできれば、通算4アンダーでホールアウトしていた木村に並び、プレーオフに持ち込むチャンスもあったが、無情にもボールはカップをそれた。
狙っていたのは、2018年の樋口久子・三菱電機レディス以来となる4年ぶりのツアー4勝目。「ホントに悔しいの一言です」と、唇をかんだ。
優勝した木村は、同じ2015年プロ入りの同期にあたる。「難しいのに伸ばしているのは、ホントは敵なんだけど、心の底からすごいなと思います」と、称賛した。
「前半、どこまで崩れるかな、という中で、もしかしてプレーオフに行けるかなと思えるところまで行ったのは、次への収穫です」と、最後はポジティブに締めくくった。
2位スタートの金田久美子「悔しいけど最後まで切れずに楽しくできたかな」
「ドライバーが曲がりまくって、フェアウェーからなかなか打てなかった。フェアウェーじゃないと勝負にならない」。2011年フジサンケイレディス以来、11年ぶりのツアー2勝目を目指した金田は、5つスコアを落としてイーブンパー。7位タイに終わって、そうボヤいた。
シード権を失い、限られた試合数の中で戦っている中での優勝争い。ものにしたかったのはまちがいないが、表情は明るい。「悔しいですけど、どうしようもなかったゴルフだった。最後まで切れずに楽しくできたかな」。
笑顔を見せる裏には、腰痛と足首捻挫に苦しんだ日々がある。オフのトレーニングの目的は、飛距離アップから故障しない身体づくりへと大きく変わった。32歳という年齢を考えれば当然ではあるのだが、その中でゴルフができる喜びを全身で感じている。
腰痛がひどいときにフルショットできず、6割程度のイメージで振るコントロールショットを身につけた。腰がよくなるにつれて振り幅が大きくなったが、前週のステップアップツアーでフルショットしたところ「チーピンが止まらなくなって」と、今週は8割程度を意識したところ、いいプレーができたという。
試合に出るのが当たり前だった頃には、ゴルフが楽しいと思ったことはなかったが、シード落ちや故障を経て、感謝の気持ちを覚えた。
「ゴルフが少し楽しくなりました」という言葉を、照れくさそうに口にしながら、改めてツアーでのプレーに意欲を燃やしている。
「粘っていればチャンスはあると思っていた」という永井花奈
2017年の樋口久子・三菱電機レディス以来、5年ぶりのツアー2勝目を目指した永井は、踏ん張ったものの74で撃沈。通算1アンダーの5位タイに終わった。
トップのささきに4打差でスタートした最終日。2番のバーディーで落ち着いた。「この風の中、自力で伸ばすのは難しいかなと。でも粘っていればチャンスはあると思っていた」。
だが、6番で最初のボギーを打つと、7番、9番、10番とボギーが止まらない。18番もボギーとして、5年ぶりの優勝はお預けとなった。「途中でもう1つくらいバーディがくれば流れが変わったのかなと思います。調子自体は悪くない」と、振り返った。
勝てなかった原因は、風があまりなかった初日にイーブンパーと出遅れたこと。気持ちを切り替えて、翌27日に行われる日本女子オープン(9月29日~10月2日、千葉・紫CCすみれC)の予選へ向かった。