◆国内女子プロツアー<ニッポンハムレディスクラシック 7月7日~7月10日 桂ゴルフ倶楽部(北海道) 6763ヤード・パー72>
初優勝にあと一歩届かなかった。西村優菜の独走態勢かと思われたニッポンハムレディス最終日だったが、3打差2位タイでスタートした野澤真央がこれを猛追。一時は首位に並ぶ激戦となったが、最後は1打及ばず、涙をのんだ。
15番で痛恨のダブルボギー その後も攻め続けた野澤真央
最後の最後まで、西村に食い下がった。
通算17アンダーで首位に並んで迎えた15番。フェアウェー左側からの第2打は爪先下がり。残り171ヤードを6Iで打ったショットはピン方向に向かっていったが、わずかに足らず、傾斜を池に転がり落ちた。痛恨のダブルボギー。このホール、バーディーの西村との差は、一気に3打と広がった。
それでも、残り3ホールをあきらめずに攻め続けた。16番でバーディーを奪うと、17番でも左10メートルをピンに当てるほど強気に打って連続バーディー。1打差に迫る。
最終18番でも、上から7メートルの下りのパットをしっかりと打ったが、ラインに乗らずパー。きっちりパーセーブした西村に1打届かず力尽きた。結局、通算17アンダーの単独2位だった。
「よく頑張ったんじゃないかと思います」
昨年のGMOインターネット・レディース サマンサタバサグローバルカップで、若林舞衣子にプレーオフ負けして以来の2位。今シーズン初のトップ10入りは、初優勝への可能性を感じさせるものだった。
「よく頑張ったんじゃないかなと思います。チャンスが多かったわけではなく、ロングパットがめっちゃ入っていたのでスコアが出たという感じです」と、淡々と振り返る。
15番のダブルボギーについても、「センターより左を狙って打ったんですけど、結構右に行くライだったので、突っかかる芝目もあって傾斜に負けちゃったかなという感じです」と冷静に分析。
「最終日なので順位は気にしてしまうと思います。その中で自分ができるゴルフを最大限できればいいかな」と、前日口にしていた通り、自分のゴルフに徹した。
奪ったバーディーは、2番の16メートルを始め8個。ダブルボギーの後も、「3打差で残り3ホールあったので、無理ではないだろうなという気持ちでした」と攻める気持ちを持ち続け、敗れはしたものの単独2位を死守した。
昨年初シードを獲得し、次は初優勝を狙う25歳
1997年3月生まれの25歳。2017年にはステップ・アップ・ツアー3勝の実績があるが、レギュラーツアーでの実績は今、重ねている最中だ。
昨年、前述の2位などがあって賞金ランキング38位となり、初シードを獲得。今季は18試合に出場して、予選落ちは4回。メルセデスランキングは22位とまずまず安定しているが、優勝争いにはなかなか絡めずにいた。
最終組で3打差を追う立場でのプレーについては、「(西村、福田真未の)楽しいメンバーだったのであまり気にせず、自分がやれることをやろう」と思っていたという。
その一方で、「最終組のプレッシャーの中で、自分の思った通りのショットが打てなかったのが反省点です」と、正直な気持ちも吐露している。
誰もが通る初優勝への試練。だが、ダブルボギーの後のプレーぶりを見る限り、野澤がその試練を乗り越える日は、そう遠くない。