◆国内女子プロツアー<楽天スーパーレディース 7月28日~7月31日 東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県) 6616ヤード・パー72>
猛追も2位に終わった稲見萌寧が、ツアー史上初となる72ホールノーボギーで優勝した勝みなみのすごさを口にした。トップの勝に9打差の2位タイからスタートした稲見は、この日5アンダーの67で回るも、5打差の通算17アンダーの単独2位となり、今季2勝目はならなかった。通算15アンダーの3位タイには、小祝さくら、全美貞、黄アルムの3人。最終組でプレーした岩井千怜は、10位タイで大会を終えている。
最終日猛追した稲見萌寧 史上初快挙の勝みなみに白旗
稲見も勝のゴルフには白旗を上げた。
安田祐香が熱中症で棄権したため、勝と2人でプレーした3日目を振り返り、「飛ぶし、曲がらないし、ウェッジの距離感もすごくてパッティングも入っていて、このゴルフをされたら勝てる人はいないなという感じでした」と、正直に語る。
それでも、この日は9打差を必死に追い上げた。6バーディー、1ボギーで5つスコアを伸ばして通算17アンダー。9打差を5打差まで縮めるにとどまったが、2位以下が激戦模様となる中、単独2位で昨年の賞金女王の実力を示した。
「(大会の特別協賛である楽天所属のホステスプロとして)うまく大会を盛り上げられたかなと感じたのと、結構スコアを伸ばせたけど、みなみさんがぶっちぎって凄すぎた感じでしたので、熾烈な2位争いを勝ち抜いてよかったです」と笑った。
今季はまだリシャ―ルミル・ヨネックスレディスの1勝だけだが、「なるべく早く2勝目をあげられたらと思います」と、手ごたえを感じる2位だった。
「笑顔で、できるだけ楽しくやっている姿をお見せしようと」と岩井千怜
初優勝に挑んだ岩井ツインズの妹、千怜(ちさと)は、1つしかスコアを伸ばせず10位タイに終わった。
ツアー通算7勝で、昨年の日本女子オープン優勝の勝、昨年の賞金女王でツアー11勝の稲見という実力者2人との最終組にも、動じることなくプレーした。
「今日もコツコツと淡々と回って、アンダーで回れればいいかなと思って出ていきました」と、1番、2番、5番とバーディーを重ねる。
7番でダブルボギー、8番でもボギーとつまずいたが、ずるずると崩れることはない。16番で、この日4つ目のバーディーを奪って、大観衆に存在をアピールした。
「見ている方がいらっしゃるので、できるだけ楽しくやっている姿をお見せしようと笑顔でやっていました」という思いは、確実にファンに伝わったはずだ。
27位タイに終わった姉の明愛(あきえ)とともに、アマチュア時代から注目を集めていた実力派ツインズ。昨年のステップアップツアー優勝は千怜が一足先だったが、後を追うように明愛も優勝している。レギュラーツアーで先に勝つのはどちらか。今回の優勝争いで、そんな興味もより広がった。
位の小祝は地元での次戦に期待
11打差を追いかけてスタートした小祝だったが、4つスコアを伸ばしての3位タイに終わった。
パー5の4番で2オンしながら3パットでバーディーが取れないなど、グリーン上でも今一つだっただけに、何とかスコアをまとめたといった方がいいかもしれない。
北海道出身ということもあり、連日の暑さには悲鳴を上げていた。3日目終了後には、暑さで頭痛を覚えたほどだ。ドリンクを飲んで対処したところ、「5分後くらいには治ってくれました」と事なきを得たが、熱中症一歩手前という状態を乗り切った。
「やっとこの暑さもラスト1日なので、最後はしっかりと良いプレーして北海道に帰れればいいなと思います、ビッグスコアを出して終わりたいです」と語っていたほどのスコアにはつながらなかったが、それでもシーズン2勝目への足掛かりにはなったようだ。
ツアー通算7勝だが、まだ地元北海道での優勝経験はない。先週の大東建託・いい部屋ネットレディスでは、菊池絵理香がツアー史上2人目の北海道出身者の地元Vを達成したばかり。次週の北海道Meijiカップで、これに続くことができれば最高だ。