女王レースに“おかえりモネ” 稲見萌寧が逆転Vで自身初の大会連覇を達成!

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自身初の大会連覇を達成し笑顔の稲見萌寧 写真:Getty Images

◆国内女子プロツアー<ニトリレディスゴルフトーナメント 8月25日~8月28日 小樽カントリー倶楽部(北海道) 6655ヤード・パー72>

強い稲見萌寧の復活で、秋の陣に向かう女子国内ツアーの勢力図が徐々に変わってきた。
難所・小樽CCで行われたニトリレディス最終日は、2020-2021シーズンの賞金女王である稲見が、3日間首位を走った原英莉花を逆転。通算9アンダーで、6月のリシャール・ミルヨネックスレディスに次ぐ今季2勝目を飾った。

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自身初の大会連覇はプロ通算100戦目という区切りの試合

 「本当に難関コースで、ディフェンディングチャンピオンで、100回目の試合という、いろいろ記念が重なった試合で勝ててうれしいなと思います」と、稲見は素直に優勝の喜びを口にした。

 それも無理はない。東京オリンピックで銀メダルを獲得し、賞金女王にも輝いた昨シーズンに比べると、ここまでは苦難の連続。

 「本当に自分の身体の面だったり、やりたい動きがなかなかできなかったり、パッティングもうまくできなかったりで全体的にバラバラになってしまって、ずっとすごく悩んでいた。そこから1つずつ解決していくことで、身体の方は解決して。そこから自分のやりたい動きとか、自分の打ちたい球筋だったり、パッティングもと、色々と1つずつ解決していくことができたので、それがかみ合ってきたという感じです」と続けた。

プロ通算100戦目でツアー12勝目のVサイン 写真:Getty Images

最難関ホールを切り抜けて勝利を引き寄せた

 前週は左手首の故障からの復帰戦で7位。「まだ怖いのでテーピングをして、トレーナーさんにケアしてもらい様子を見ながら練習に取り組んでいる」と言いながらも、スキを見せない。

 勝負の分かれ目となったのは、2019年にツアーで最も難しいパー4だった難所の16番。420ヤードの長さに右からのアゲンストという悪条件が加わり、この日はさらに難度を増していた。

 稲見も「ずっとどうやってパーを取ろうか、ということが頭にあった」と言いながら、「もうやり切るしかないと思ってティーショットを打ったら、すごくうまいところに行ってくれた。そこからセカンドもなかなかピンに行きたいけれどいける状況でもなく、風もちょっとどうなのか、という部分で悩みながら若干ミスして」グリーンを左に外す。

 しかし、ここから30センチに寄せてパー。「まだ、アプローチができるところにあって良かった」と振り返った。

山下 美夢有は痛恨のボギーで後退。稲見萌寧は女王争いに名乗り!

 一方、トップに並んでいた山下 美夢有は、このホールでティーショットを左に曲げてピンチが広がる。

 残り200ヤードを5番ウッドでグリーンの左に外し、さらにアプローチも寄らず、6メートルを残すピンチに。

 「ピンまで31ヤードで、手前に強い左傾斜があった。そのマウンドを超えて、スライスで寄せていこうと思ったけど、ちょっとあたりが薄くて、狙いどころよりも少し右に飛んでしまって、傾斜で右に流されたって感じです」と悔やんだが、このパットを決められず、稲見に1打リードを許してしまった。

 この時、稲見は16番のリーダーボードを見ていた。

 「(優勝争いが)3人か4人と思っていたんですけど、山下さんと一騎打ちになっていたのでびっくりしました」。

 しかし、リズムはまったく崩れない。上りの17、18番をそつなくパーにおさめ、最終的には2位の山下ら3人に2打差をつけて優勝を飾った。

 昨年はこの大会で優勝後、日本女子プロ選手権も制して賞金女王へとひた走った稲見。今年からはシードなどの基準がメルセデスポイントに一本化されたが、女王の座を死守する意欲に陰りはない。

 「まだ(トップとは)全然離れていると思うので、これからどんどん増えてくる4日間で毎週優勝争いをして、なるべく勝ち続けられるように頑張っていきたい」と言い切った。

 群雄割拠の女子ツアーに、昨年の主役が復活。後半戦がさらにヒートアップするのは間違いなさそうだ。

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