◆海外女子プロツアー<LPGA Qシリーズ(後半)12月8日~11日 RTJトレイル・ハイランドオークスGC(米アラバマ州) 6685ヤード・パー72>
勝みなみが笑顔で来季の米ツアー出場権を手にした。
8ラウンドの長い戦いで米ツアーへの“切符”を争うQシリーズは、現地時間11日、アラバマ州のロバート・トレント・ジョーンズ・トレイル・ハイランドオークスGCで命運をかけた最終ラウンドが行われた。45位以内に入ればツアーのメンバーになれるが、多くの試合に出場するためには20位以内に入らなくてはならない厳しい戦い。勝は5位、西村優菜は24位タイでメンバーとなったが、その表情には天と地ほどの差があった。
通算29アンダーのユ・ヘラン(韓)が1位、20位以内は通算17アンダーまで。通算11アンダーまでが45位で、ツアーのメンバーとなっている。識西諭里は75位。
余裕で通過の勝みなみ 母の存在に「感謝しかない」
「来年、アメリカ頑張りたいです」。満面の笑みで、勝がそう口にした。
表情は自信と喜びにあふれている。
前半の4ラウンドで75位以内に入り、挑んだ後半4ラウンドは、初日こそパープレーで出遅れ気味だったが、2日目に67で回ると、難しいグリーンの癖もつかんだ。
3日目69と順調にスコアを伸ばし、この日も6バーディー、ノーボギー。通算24アンダーの5位で、楽々20位以内に入った。
「感謝しかないです」というのが、キャディとして共に戦ってくれた母、久美さんへの言葉。緊張に包まれる選手が多い中、落ち着いて「いつも通りにやってました」と言えるプレーができたのも、母の存在があればこそ。
すでに心は来年の戦いに飛んでいる。
24位タイの西村優菜は悔しさのあまり号泣
西村は、思うようにスコアが伸ばせず、ホールアウトすると悔しさを爆発させた。
22位タイという微妙なポジションで迎えた最終日。1番で10メートル近いパットを入れるバーディー発進。だが、良かったのはここまで。
6番で3パットボギーを叩いてしまうと、その後も、芝目のきついグリーンに苦しみ、チャンスをことごとく外してしまう。結局、この日、イーブンで終わり、通算15アンダー。24位タイに終わった。
ホールアウト後は、両手で顔を終わって泣き出してしまい、止まらない。ようやく絞り出した第一声は、「悔しいです」という言葉。「厳しいツアーだと思います」と、直面した現実を前に愕然とした。
45位以内に入っているので、ツアーのメンバーにはなれるが、出場できる試合は多くないだけに、来年のスケジュールをどうするか、再考することになる。
「いっぱい試合に出たい」75位の識西諭里は欧州ツアーQT挑戦へ
1次、2次を勝ち抜いてQシリーズまで来た識西諭里だったが、力及ばず75位に終わった。
10番スタートでバーディー発進したが、11番で痛恨のダブルボギー。14番バーディーで取り戻したが、上り3ホールとなる7番から3連続ボギーを叩いて通算4オーバー。後半4ラウンドに進んだ75人のうち最下位だった。
「もうちょっといいプレーをしたかったので悔しい気持ちはありますけど、8日間プレーできたことは自分にとって価値があることだと思います」と、長い長いQT挑戦を前向きな言葉で締めくくる。
今年は、最終予選を通過して全米女子オープン出場も果たしたが、11月の日本のプロテストは不合格に終わっている。
75位でも最後まで残った選手は、2部のエプソンツアーに出場できる。次週には欧州ツアーQTに挑むことも決めており、「いっぱい試合に出たい」と、試合を求めて世界中を渡り歩く覚悟を見せている。