2024PGAティーチングプロアワードのファイナリストである高野逸夫プロのレッスン理論です。
40年超のレッスン経験で気づいた「重心」の重要性
41年という今回のファイナリストの中で一番長いレッスン歴を誇る高野逸夫プロ(B級・61歳)。女性や高齢者など、筋力がなく非力な方でも効率よく飛ばせるスイングをずっと追及してきたそうです。
「どうやって力を入れるかではなくて、どうやって力を抜くか、脱力させるかがテーマ」と語る高野プロが気づいたのは、「重心」の重要性。地球上ではすべてのものに重力がかかっていますが、筋力があると重力を無視して動くことができる。そのため、「重心がなくても力が出た気になって故障につながる」と高野プロは言います。
では、正しい重心の位置というのはどこにあるのか。
おへそなどの腰の部分や、その少し下の丹田と言われるところをイメージする方が多いと思いますが、高野プロは「おへそや丹田と言われるところから力が出ていると思っていることが間違いで、腰痛の原因」と断言。正しい重心は、「みぞおちとおへその中間の体幹の中にある」と説明しています。
正しい重心の見つけ方や重心の役割などの詳しい内容は、高野プロのプレゼン動画を見ていただければと思いますが、自分自身の重心の位置をつかんで、その重心で立てれば、筋肉で動いている感覚は一切ないとのこと。例えば、ハイハイから立ち上がるときの赤ちゃんは、重心からから動くということをこの時に覚えており、正しい重心を守るように手足は動くよう進化していると言います。
「重心が、自分の身体で一番効率よく動けるところで、生きた重心で動作をすると体は戻っていく」と語る高野プロが、40年以上のレッスン経験を経てたどりついたスイングの究極のゴールが、「重心」なのです。
筋肉や骨格による動かし方ではなく、重心を意識した身体の使い方にシフトするという高野プロのレッスン理論。たくさんのレッスン動画や理論があふれる中で惑わされているゴルファーにとって、救いにつながる有意義なレッスン理論になりそうです。