「背泳ぎとゴルフスイングの共通点」PGAティーチングプロアワード最優秀賞・松下利則のスイムストレッチ②

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自作のパドルをつけた松下利則プロ

2023PGAティーチングプロアワード最優秀賞に輝いた松下利則プロのレッスン理論「スイムストレッチエクササイズ」。今回はクロール、バタフライ、背泳ぎをベースにしたエクササイズの実際の動きを紹介していきます。

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ゴルフと水泳の体の使い方は根本的に同じ

 さて、前回のPART1では、体力診断テストによって自分の身体の衰えている部分に気づいてもらいました。その衰えている部分を補うために行なってもらいたいのが、今回ご紹介するスイムストレッチエクササイズです。

 水泳の基本的な動きは「頭」と「背骨の軸」を動かさず、身体の軸を回旋させる力を利用して、肘から指先までに溜めた水を逃がさないように腕を動かし、腰の下に水をプッシュする事で推進力を生むことです。

 ゴルフも軸をキープした上で、余分なフェースの開閉を抑えるように腕を振ることで、効率的に飛ばせるスイングが身に付きます。つまり、根本的な体の使い方は同じなのです

 私のスイムストレッチエクササイズでは、特製のパドルを使用していますが、無ければ手に付けているイメージで構いません。今回はクロール、バタフライ、背泳ぎの3種目のエクササイズを紹介します。

背泳ぎの動きにゴルフスイングの重要な動きが詰まっている

 まずクロールですが、前傾姿勢をキープしたままクロールで泳いでいるイメージで左右の腕を回します。座った状態、立った状態それぞれで10回を3セット。このエクササイズで、肩や肩甲骨の柔軟性が高まり、肩の回転がスムーズになってきます。また、腹斜筋や体幹の筋力向上にもつながります。

 つづいては、バタフライです。こちらも前傾姿勢をキープして、バタフライの動きで両腕を回します。パドル(手の平の)面は開かない状態で腕を回してください。バタフライも座った状態、立った状態それぞれで、10回を3セット行ってください。

 そして、背泳ぎです。今回紹介したスイムストレッチエクササイズでは、どの種目でも身体の軸が重要ですが、特に背泳ぎの動きはゴルフのスイングのアドレスからインパクトまでの身体の動きと共通点が多くなっています。

 例えば、右手のパドル面をクラブフェイスと考えてスイングの動きを行うと、ゴルフスイングのトップの位置と、背泳ぎの要領で右手を真上に挙げて前傾した状態がほぼ同じ姿勢になっているはずです。

 そこから水を手のひらでつかまえるようにしてインパクトに持ってくる、つまり背骨を軸に回旋し、肘を体に近づける動きも、ゴルフスイングとほぼ同じ動きになっています。背骨を軸に、身体や腕を柔らかく使うことをイメージしながら、両腕を回してください。背泳ぎは、座った状態で10回を3セット行ってください。

 いかがだったでしょうか。これらの動きを連続で10回3セット行うことで、ゴルフにおける腕の動きがかなりスムーズにできるようになるはずです。

 このスイムストレッチエクササイズを行うことで肩や肩甲骨周りの柔軟性を高め、安定したスイングと飛距離アップにつながるだけでなく、血流も良くなり、肩凝りなどにもいい影響を与えてくれると思います。

松下利則(PGAティーチングプロA級)
和幸カントリー倶楽部(大阪府枚方市)所属
42年間の体育教師時代に水泳部の顧問を務め、自身も50歳まで水泳競技に挑戦。定年後の68歳の時に過去最高年齢にてティーチングプロの資格を取得した異色のティーチングプロ。

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