◆国内女子プロツアー<伊藤園レディスゴルフトーナメント 11月11日~13日 グレートアイランド倶楽部(千葉県) 6741ヤード・パー72>
上田桃子は2週連続の逆転負けを喫し、岸部桃子は初優勝を目前で逃した。
山下美夢有の優勝で幕となった伊藤園レディスゴルフトーナメント最終日(13日)は、15番を終わって最終組の3人が並ぶ大激戦。上田は、先週に続いて単独首位から優勝を逃し、岸部は初シードを確かなものにする2位で大会を終えた。
2週連続逆転負けの上田桃子はなにを思う
2週連続の逆転負け。それでも上田桃子は前を向いた。
先週、米ツアーと共催のTOTOジャパンクラシックでも、単独首位で最終日を迎えながら、スコアを落として逆転負け。5位タイに終わっている。 今回もまた、勝負どころでダブルボギーを叩いて山下美夢有の優勝を許している。
「チャンスを決めきれなかったのがすべて」と唇をかむ。
前日、こう口にしていた。「優勝を狙える状況に来たら、今度こそはしっかり強い気持ちでチャレンジしたいな、と。自分にチャレンジできるチャンスなので、久々にワクワクするかなと思います」
だが、今回も願いはかなわなかった。
最後まであきらめずにやった。それでも今週も優勝には届かず
2打差単独首位でスタートしたが、チャンスを決められないガマンのゴルフが続く。山下、岸田との息詰まる戦いとなったバックナインも、一歩も譲らない。
だが、15番でバーディーを取った2人に追いつかれ、通算12アンダーで3人が並んだ16番で、まさかの落とし穴が待っていた。
「右からアゲンストだと思って振り切っていこうと思った」というティーショット。右に出すぎて木の根元というトラブルで、痛恨のダブルボギー。
最終日の11番でダブルボギーを叩き、優勝争いから脱落した1週間前の試合が頭を過ぎる。
2打ビハインドでの残り2ホールではバーディーがとれず、山下の優勝を許し、3位に甘んじた。「最後まであきらめずにやったんですけど」と、悔しさを隠さなかった。
今季は、富士フィルムスタジオアリス女子オープンで、ツアー通算16勝目を飾ったが、その後はどうしても勝てずにシーズン終盤を迎えた。36歳になった今でも、その衰えることのない闘志を後輩たちに見せ続けている。
2週連続の逆転負けを大きな糧にするべく、また立ち上がるに違いない。
岸部桃子は応援に応えられず悔しい2位
あと一歩のところで、岸部桃子が初優勝を逃した。
7番パー3で、あと少しでホールインワンというティーショットを放ち、首位スタートの上田に迫った。「4番ユーティリティですごいアゲンストだったので2番手上げて打ちました。打った瞬間、自分でもいい感触だったのですが、まさかあんなに近いとは。入っちゃえばよかったですね」と振り返る1打。
12番でボギーを叩いたが、勝負どころの15番でバーディー奪取。上田、山下の実力者2人と首位に並んだ。
残り2ホールで山下と首位を並走。だが、難ホールの17番パー3でボギーを叩き、山下に1打差2位に終わった。
福島県出身で小学生の頃に東日本大震災を経験したが、現在は千葉を拠点にしてる。今大会の舞台も千葉とあって、優勝争いをたくさんの人が応援に来てくれた。その分、勝ちたい気持ちも強かったが、プレーに集中した。
試合後、改めてそのことを問われて、「1打1打に集中していたので意識していませんでしたが、知り合いがたくさん応援に来てくれたなかで優勝できなかったのは悔しいです」と話す。
プロ10年目。今季はQTランキング22位でシーズンに入り、結果を出して現在のリランキングは7位。31試合に出場して予選落ち6回と、安定した成績で初のシードをほぼ確定させており、飛躍の年となった。