19歳・櫻井心那の大物ぶり、力尽きた桑木志帆、1チャンスにかけた宮田成華『資生堂レディス』ハイライト

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写真:Getty Images

◆国内女子プロツアー<資生堂レディスオープン 6月29日~7月2日 戸塚カントリー倶楽部(神奈川県) / 6605ヤード・パー72>

女子ツアーに、また新しい若いヒロインが誕生した。『資生堂レディスオープン』最終日は、通算7アンダーで4人が首位に並び、首位から4打以内に13人がひしめく大激戦。その中から2003年度生まれで19歳の櫻井心那と、1学年上の桑木志帆という若い2人が通算10アンダーで抜け出し、プレーオフにもつれ込んだ。昨年のステップ・アップ・ツアー賞金女王の櫻井が、2ホール目でバーディーを奪って初優勝。大物ぶりを見せつけた。

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「あ!勝っちゃった、みたいな感じ」で初優勝

大物ぶりを見せつけた櫻井心那 写真:Getty Images

 ステップ・アップ・ツアー5勝。昨年下部ツアーの年間最多勝利数を塗り替えた櫻井は、やはり大物だった。

 「まだ(優勝の)実感全くないんですけど。プレーオフ、すごいドキドキしてて、終わってホッとしてます」と言ったかと思えば、「あ、勝っちゃった!みたいな感じは(ステップ初優勝と)一緒なんで」と、口にする。

 上がり2ホールで、続けてベタピンのバーディーを奪って通算10アンダー。プレーオフに持ち込んだ勝負強さは本物だ。

 「トップとの差が2打あって、バーディー、バーディーしか勝つ方法はないっていうのはわかってたし、キャディさんとも最後2つバーディーで上がればいいじゃん、みたいな感じで話してたんで、セカンドの番手とかそういう方向とかにもガツガツというか…。いいスイングでいいイメージ出してバーディー取りに行けました」と、勝負に出てのプレーオフ。2ホール目で奥から約3mのチャンスを決めて、バーディーを奪って初優勝した。

 ステップ・アップ。ツアー賞金女王の資格で手にした前期出場権から、リランキング3位で中盤戦の出場権も獲得したが、シーズン序盤は苦しんだ。

 開幕から2試合続けて予選落ちし、「これが毎週続くのか、みたいな感じでちょっとネガティブな感情になったりした」が、3戦目で予選を突破したことで気持ちが前向きになった。上位にいる選手たちとの差を感じながらも、徐々にツアーに慣れ、優勝にたどり着いた。

 今季の目標のひとつが、地元、長崎が舞台の『日本女子プロゴルフ選手権』(9月7日~10日、パサージュ琴海アイランドGC)。「そこで優勝できるように調子を合わせていきたい」と、大きな夢を口にした。

 海外進出の夢も広がっている2003年度(2004年2月)生まれの19歳。また1人、目の離せない選手が飛び出した。

惜敗した桑木志帆「自分の持っているものはすべて出せた」

桑木志帆はプレーオフで惜敗 写真:Getty Images

 激闘虚しく、桑木はプレーオフ2ホール目で力尽きた。

 「本当に楽しくて、緊張というよりかは、本当に楽しみが多くて、自分が優勝争いをしているというのが、緊張というよりかはワクワクしてて、朝から。その分やっぱり勝ちたいという思いがあったので、すごく悔しいです」と、正直な心情を吐露した。

 昨年はメルセデスランキング51位で、シード権獲得にわずかに及ばなかった。51~55位に与えられた前期出場権を駆使して結果を出し、リランキングは1位。引き続き出場権を得て臨んでいる。

 その中での優勝争いには、悔しさと共に手応えもある。「悔しいですけど、自分の持っているものはすべて出せたと思います」と、胸を張った。

3週連続で優勝を逃した岩井明愛&チャンスを生かせなかった宮田成華

 3週連続の最終日、最終組。ツアー2勝目を惜しいところで逃し続けている岩井明愛は、「今度こそ」という思いで4人並んだ首位の1人として臨んだ。だが、勝負がかかるバックナインにバーディーが出ない。

 結局、2つスコアを伸ばしただけで、通算9アンダー。プレーオフに1打足りず、3位に終わった。

 「結構いい位置で戦っていたんですけど…」と、思わず悔し涙がこぼれる。「なかなか優勝に届かなくて、応援して下さっているのにちょっと申し訳ないですね。次のチャンスはつかみたいと思います」と、言い切った。

 次週は、双子の妹、千怜とともに挑む『全米女子オープン』(7月6日~9日、カリフォルニア州・ペブルビーチGL)。「すごい楽しみだったので、チームのみんなと一緒に最善尽くして頑張ります」と、大舞台に気持ちを切り替えた。

宮田成華も初優勝には手が届かず 写真:Getty Images

 岩井同様、首位タイから初優勝に挑んだ宮田成華は、最後まで踏ん張ったが、3バーディー、2ボギー。プレーオフには2打及ばず、4位で大会を終えた。

 QTランキング66位で臨んだ今シーズン、リランキングでも65位と出場できる試合は限られる。シーズン6試合目の今大会は、ウエイティングからの出場だった。

 「ずっとそこ(優勝)だけ考えてやってました」と、一発逆転を狙ってプレーした。「2ケタ(アンダー)に乗せないと優勝できない」と設定していた目標に2打足りず、「ちょっと悔しいなという1日です」と唇をかんだ。

 次週の『ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ』(7月6日~9日、北海道・真駒内CC空沼C)にも出場が決まっており、「来週も頑張ります」と次のステップに希望をつないだ。

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