ゴルフ場でラウンドするとき、「スタート時間の1時間前にはゴルフ場に到着したほうがいいよ」とよく言われます。ただでさえ朝早いのに、なぜそんなに早く到着しなければならないのでしょうか。そこには、私たちが普段気にしていない、ゴルフ場スタッフの知られざる準備があるからなのです。
1時間前じゃなくても間に合うが30分前には到着すべき
結論から言いますと、スタート時間の1時間前に到着しなくてもスタートには間に合います。
では何分前までに到着したほうがいいかというと、「30分前には到着してほしいです」とゴルフ場関係者は口を揃えます。30分前に到着してほしい理由を、ゴルフ場関係者は次のように説明します。
「ゴルフ場のスタート時間というのは、スタートホールのティーイングエリアに集合する時間ではなく、ティーショットを打ち始める時間です。したがってスタート時間の10分前にはティーイングエリア付近で待機していただき、前の組がスタートしたらティーショットを打つ準備を始めてほしいです」(関係者A)
「クラブハウスからスタートホールまで5分くらいかかりますから、ゴルフ場はスタート時間の20分前にお客様のキャディバッグを乗用カートに積み込みます。ですから20分前にはキャディバッグがマスター室前のキャディバッグ置き場に到着してほしいです」(関係者B)
「お客様はクラブハウス前でキャディバッグを下ろします。そのキャディバッグをスタッフがキャディバッグ運搬機に積み込み、マスター室前に送ります。マスター室前に到着したらスタッフがキャディバッグ置き場に並べます。その所要時間を考えると、30分前にはクラブハウスに到着してほしいということになります」(関係者C)
30分前に到着できない場合はゴルフ場に連絡を入れたほうがいい
30分前でも間に合うのに、なぜ「1時間前に到着したほうがいいよ」と言われるのでしょうか。
それは30分前を目標にすると、交通渋滞などが発生したときに間に合わなくなるからです。1時間前を目標にしておけば、渋滞が発生しても30分前までに到着できる可能性が高まります。
ただし、ゴルフ場のスタート時間は地域住民の通勤時間帯や行楽地へ向かう人たちの移動時間帯と重なることがあります。そうすると想定していた以上の渋滞に巻き込まれることもあります。
スタート時間の30分前に間に合わない場合は、ゴルフ場に連絡を入れたほうがいいです。すでにゴルフ場の近くまで来ている場合は、「道が混んでいて少し遅れていますが、20分前には着きそうです」と連絡するとゴルフ場は安心します。
何の連絡もなしにスタート時間の20分前になった場合、ゴルフ場は無断キャンセルの可能性を疑います。同伴者がすでに到着している場合は、スタート時間を変更するかどうかを同伴者と話し合います。
スタート時間を変更する場合は、「最終組の後ろになります」というのが通例です。最終組のスタート時間はゴルフ場によって異なりますが、日が長い季節は10時台後半です。
その際には、乗用カートの順番を並べ替えたりする作業が発生します。作業を迅速に行うためにも、30分前に間に合わない場合は、あと何分くらいでゴルフ場に到着できそうかという連絡を入れるのが好ましいです。
文/保井友秀