◆日米女子プロツアー共催<TOTOジャパンクラシック 11月3日~6日 瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)6616ヤード・パー72>
TOTOジャパンクラシック 最終日。1打差2位でスタートした29歳のジェマ・ドライバーグ(スコットランド)が7バーディー、ノーボギーの65を叩きだし、通算20アンダーで米ツアー初優勝を飾った。
日本勢では永井花奈が8バーディー、1ボギーの65でラウンドし、通算16アンダーの単独2位に食い込んだ。米ツアーのQT受験を控える西村優菜は、通算13アンダーの4位に終わった。
上田桃子がダボで転落、山下美夢有はパットで苦しみ足踏み
初日から3日間トップを走ってきた上田桃子は、1打リードされて迎えた11番でグリーン右手前のバンカーから左の奥のバンカーまで“ホームラン”させてしまう痛恨のミス。
このホールでダブルボギーを叩き、バーディーを奪ったドライバーグの差は一気に4ストロークまで開いてしまった。
ドライバーグに1打差の3位で出た山下美夢有も、パットがことごとく決まらず足踏みが続く。
最終組で回る上田と山下がスコアを伸ばせないこともあって、ドライバーグは自分のペースを保ち続けた。13番からは4メートル半、5メートル、4メートル半と外れてもおかしくないパットを3連続で決めた。
上田が、「向こう(ドライバーグ)を楽にさせてしまった」と悔やんでも後の祭り。15番を終えたとき、上田との差は7打差までに開いてしまっていた。
山下も15番を終えたときには、上田と同じ12アンダー。しかし、目の前でことごとくパットを決められ、「(ドライバーグは)私よりもついていない所から決めてくるので、そういうところが大事だと感じた」と、感心する以外にない状況へと追い込まれていた。
グリーン上の勝負は、ドライバーグの1人勝ち状態だったことは歴然としていた。
上り3ホールも1人旅状態
後続のもたつきにも助けられ、落ち着いた表情でホールを消化していくドライバーグ。最終ホールも2メートル半のフックラインを1発で決めて、バーディーで締めくくった。
最終日の「ドライバーグ劇場」は完ぺきなエンディング。ホールアウト後の会見で、ストロングポイントをたずねられたドライバーグは、「ティーショットが曲がらないこと」と答えてから、「今週においてはパッティングね」と、ライバルたちをぶっちぎったパットの威力を自ら勝因に挙げた。
スコットランド生まれで、15歳の時にアメリカへ。フロリダIMGアカデミーで学び、フルスカラシップで学んだ。その後、ヨーロピアンツアーを転戦していた時期もある。
「15歳の時からツアーで勝ちたいという夢を持ち、それをやっと叶えることができました」と語る29歳。
「連絡したら父親は100%泣くと思います。来週はフロリダで両親に会えるから楽しみ」と、喜びを口にしたドライバーグ。米ツアー初優勝は遅まきだったが、2勝目のチャンスも意外に早く、やってくるかもしれない。