タフなコンディションでの国内メジャー初戦 若手、ベテラン、それぞれの戦い

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(左から)申ジエ、小祝さくら、佐久間朱莉 写真:Getty Images

◆国内女子プロツアー<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 5月4日~5月7日 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)/ 6780ヤード・パー72>

ベテラン、若手が入りまじり、シーズン最初の公式戦タイトルをかけて戦った。吉田優利の優勝で幕を下ろした『ワールドレディスサロンパスカップ』は、様々な条件が重なるタフなコンディションでの戦いとなった。優勝スコアが通算1オーバーという状況で、それぞれがどんな風にプレーしたのか。佐久間朱莉、小祝さくら、申ジエにスポットライトを当ててみた。

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師匠・ジャンボの檄で発奮した佐久間朱莉は7位タイ

初の最終日・最終組で7位タイに終わった佐久間朱莉(写真は3日目) 写真:Getty Images

 「いつまでそこら辺の位置でやってるんだよ」

 佐久間が、師匠と仰ぐジャンボ(尾崎将司)からこう言われたのは、約2週間前のことだった。千葉で行われた前週の『パナソニックレディス』に入る前の月曜日(4月24日)、ジャンボ邸に赴いて練習した時の言葉だった。

 「でも頑張って行ってきます」と佐久間が答えたというから、決して強い言い方ではなかったのだろう。だが、勝負の世界で生きてきた男の言葉は、心の奥底に残っていた。

 4日後の『パナソニックレディス』で18位タイに入り、今大会では強風の3日目にアンダーパーでプレー。首位の吉田優利に4打差ながら3位タイで最終日を迎えた。

 初めての最終日、最終組。3つスコアを落として7位タイに終わったが、表情には満足感が漂っていた。

 「雨と風の中、耐えることができなかったのは敗因かなと思います。初めての最終日、最終組でプレーできたことは、すごい勉強になりました」と、手応えを口にしている。課題も見えてきた。

 「ショートゲームがまだまだ上位の選手とは違うかなと思ったので、そこをしっかりと修正していきたいです」

 ショートゲームの名手でもある師匠に、優勝を報告する日も近い。

小祝さくらはツアー9勝目へ手応え

逆転優勝もみえた小祝だったが結局3位タイ 写真:Getty Images

 ねばり強いプレーで逃げ切り優勝を飾った吉田をヒヤリとさせたのが、小祝さくらだった。

 4打差3位タイで最終組の1つ前でプレー。申ジエ、上田桃子の実力者2人とともに追い上げムードの中で戦った。

 1番、2番と連続バーディーの後、5番パー5もきっちりと撮って通算1オーバー。2打差に迫った。

 7番、8番の連続ボギーで失速したかに見えたが、10番でこの日4つ目のバーディー。苦しい戦いが続いていた吉田が、10番で3つ目のボギーを叩いた時、束の間、通算2オーバーで並んだ。

 だが、追い上げもここまで。11番、12番連続ボギーの後、15番はダブルボギーにして、結局通算6オーバー。上田、リ・ハナとともに3位タイに終わったが、表情は明るい。

 プレー中は上位との差などあまりわかっておらず、「自分との戦いって感じてやってたんですけど、なかなかそこから延ばすことができないで崩してしまったので、課題はたくさんっていう感じです」と苦笑したが、自らへの期待もある。

 今季は、これが3度目の3位だが、予選落ちも4回と、今一つ安定しない。

 「先週まで結構ダメなところがたくさんあったんですけど、そこからちょっとずつ進歩はしていい感覚は取り戻せた感じはあったので、これをしっかり忘れずに来週また調整して頑張りたいです」

 ツアー9勝目への光明が見えてきた。

最後まであきらめなかった申ジエが単独2位

 最後まで吉田を苦しめた申ジエ(写真はダイキンオーキッドレディス) 写真:Getty Images

 世界ランクNo.1の経験を持つ申ジエが、18番で賭けに出た。

 ティーショットを左のバンカーに入れたが、手にしたのはユーティリティー。アゴまで距離がそこそこあるものの、あごは決して低くない。

 後ろの組でプレーする吉田は、17番バーディーで通算1オーバーとなったのだが、まだ、1打ビハインドという状況での選択だった。

 「勝負、まではないですけど、ピンまで200(ヤード)以上だったので、できれば近いところまで行って欲しかったんですけど。右はフェアウェー広かったんで、ミスでもボギーを狙うことができると思って、一応行こうと思って」とのことだと言うが、見ていた誰もが息をのんだ。

 結果的に、第2打はアゴに当たり、このホールをボギー。3打差で吉田の優勝を許し、2位に終わった。

 「少し気温も下がり、腕の状態も硬くなって力が入りにくくなっていたので、今日のプレーには満足しています。トップになった優利さんが4日間いいプレーをしたから」と、勝者を讃えた。

 記録としては日本ツアー通算27勝。永久シードが獲得できる30勝までのカウントダウンに入っている。今季は開幕戦ダイキンオーキッドで優勝した後、これが3度目のトップ5入り。だが、予選落ちも3回と苦戦が続いている。

 ツアーで強烈な存在感を放つ実力者の、大きな目標への戦いは続く。

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