期待の金谷拓実、中島啓太は12位どまり!欧州VS日本は欧州の圧勝!

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12位タイにとどまった金谷拓実(左)と中島啓太 写真:JGTO images

◆国内男子プロツアー<ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!2023 4月20日~4月23日 PGM石岡ゴルフクラブ(茨城県)  / 7039ヤード・パー70>

欧州・日本どっちが勝つか?結果は欧州勢の圧勝と、日本勢にはあまりにも厳しいものとなった。日本と欧州の共催トーナメントとして行われた『ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!2023』は、オーストラリアのL・ハーバートとカナダのA・コカリルの2人によるプレーオフの末、2ホール目でバーディを奪ったハーバートが優勝を飾った。トップ10に入った日本勢は、岩田寛1人という結果となった。

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比嘉一貴は予選落ち、金谷、中島もトップ10入り逃す

 日本勢は岩田寛が4位タイに入るのがやっと。マスターズ帰りで国内初戦となった昨季の賞金王・比嘉一貴は予選落ち、金谷拓実、中島啓太も12位タイどまりと、期待を大きく裏切る結果となった。

 特に比嘉にとって、マスターズで予選落ち後「一番チャンスがある試合」と意気込んだ今大会でも予選落ち。このところ、明らかに流れは悪くなっている。

 この後も5月の全米プロゴルフ選手権まで、ハイレベルなフィールドでの連戦が続く。この中で事態を好転させられるかどうか、厳しい戦いを迫られる。

2022年『HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP』優勝時の星野陸也 写真:JGTO images

 昨年、比嘉と賞金王を争った星野陸也にとっても、この大会は特別だった。地元開催で得意とするPGM石岡GCで行われ、昨年は同コースで行われた『HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP』で優勝を飾っていた。

 すでに全英オープンの出場も決まっている星野には、ヨーロピアンツアーのランキングを上げて前向きな気分で戦っていくためにも、今大会が持つ意味は大きかった。

 しかし最終日は2番でボギーが先行すると、5番からは出入りの激しいゴルフとなり足踏み状態に。11番では痛恨のダブルボギーを叩き、結局23位タイまで後退した。

ただ1人、気を吐いたのはベテランの岩田寛

日本人唯一のトップ10入りした岩田寛 写真:JGTO images

 日本勢の中で唯一、期待を抱かせたのが東北福祉大で松山英樹の先輩でもあるベテラン・岩田寛。

 首位に5打差の13位タイでスタートしたが、前半のアウトを1つ伸ばして折り返すと、12番から3連続バーディ。15番でボギーを叩いたものの、16,17番と連続してバーディをもぎ取った。

 最終日は65の猛チャージで通算13アンダーまでスコアを伸ばし、周囲に逆転の夢を抱かせる猛追劇だった。

 2015年の『全米プロ』2日目にはメジャータイ記録(当時)の63を叩き出し、翌年の米ツアー『AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ』で4位に入った岩田も、今や42歳。もともと寡黙な男として知られ、今週も「正直(大会が)始まる前は、調子が悪すぎて全然元気がなかった」という。

 だがサンデーバックナインの猛チャージには気分が悪くないはずがなく、「(日欧共催の)雰囲気が味わえたのは、バーディを重ねて回りがざわざわしてきてから」と、笑顔を浮かべて振り返った。

闘病中の母に届けるDPワールドツアー3勝目

DPワールドツアー通算3勝目を挙げたL・ハーバート 写真:JGTO images

 プレーオフは、2ホール目でハーバートが約4メートルのバーディパットを1発。コカリルとの一騎打ちにケリをつけた。

 DPワールドツアー通算3勝目。「日本でプレーするのは大好き」と語った27歳のハーバートは、もともと日本のトーナメントとの縁も深い。

 アマチュア時代の2015年、大利根カントリークラブで行われたダイヤモンドカップに出場。300ヤード超のドライバーを連発し、4番と17番で計測されたドライビングディスタンスのアベレージは301.5ヤード。参加選手中トップを快走して、注目を集めている。

 この大会で27位タイに入り、同年の日本オープン(六甲国際GC)にも出場。金谷拓実とローアマの座を争っている。この時は金谷が17歳と148日の若さでローアマを獲得。1978年に横浜CCで金子柱憲が樹立した17歳と246日のローアマ最年少記録を37年ぶりに塗り替えている。

 昨年の『WGCデルテクノロジーズ・マッチプレー』でも、ハーバートはトニー・フィナウ、ザンダー・シャウフェレと格上の大物を倒しながら、金谷に苦杯を喫している。日本の大会だけでなく、アマチュア、プロ生活を通じて日本の選手たちとも多くのフィールドで競い合ってきた。

 そんなハーバートだが、今大会は参加選手中トップの世界ランキング59位で突入していた。いわば今回の優勝は“順当勝ち”でもあったわけだ。

 優勝スピーチでは、母ががんで闘病中であることを告白。「抗がん剤治療をしながら、彼女も戦っている。そういう時に、勝ててうれしい」と、朗報を届けられる喜びをしみじみとかみしめていた。

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