女子ツアー史上初の双子優勝!日本から世界へ広がる岩井ツインズの夢

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岩井明愛と妹の千怜(右)が2人揃ってVサイン 写真:Getty Images

◆国内女子プロツアー<KTT杯バンテリンレディスオープン 4月14日~16日 熊本空港カントリークラブ(熊本県)   / 6523ヤード・パー72>

岩井ツインズの姉、明愛が、百戦錬磨の申ジエを逆転。ツアー初優勝を飾った。JLPGAツアーシーズン第7戦『KTT杯バンテリンレディスオープン』最終日は、首位でスタートした申ジエを、1打差2位から出た岩井が追走。申は、3打リードでバックナインに入ったが、11番で痛恨のダブルボギーを叩いて岩井と並び、13番ボギーで岩井が1打リード。岩井は、落ち着いたゴルフで、この1打を守り切った。昨年8月に2週連続優勝を飾った妹、千怜に続く明愛の優勝は、JLPGAツアー史上初の双子優勝となった。

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「ホッとしています。それとうれしいという気持ちです」

 双子の姉妹が、歓喜の抱擁だ。「おめでとう、とは言ったんですけど(明愛は)言葉が出てなくて」と千怜が話す、待ちに待った瞬間だった。

 「ホッとしています。それとうれしいという気持ちです」。初優勝とは思えない本音が出た。双子で勝負の世界に生きる以上、比較されることには慣れている。昨年8月に千怜が2週連続優勝を飾った時には、ともに喜びを分かち合った。

 一方で、周囲からは常に「早く勝ってねとずっと言われてきました」と言う。これがプレッシャーにはならなかったと明言し、「むしろ勝ちたい気分が強くなったという感じです」と笑顔で言い切ったが、自分に重圧をかけていないはずがない。

 勝因は、前のめりになる自分にブレーキをかけることを覚えたことだった。「たぶん前の自分だったら、気持ちが出過ぎてしまって悪影響を与えるような感じだったんですけど、今年に入って落ち着きというか、やりたいことができるようになってきてると思います」と自己分析。集中しすぎないように意識して、自分のゴルフを貫いた。

最後まで攻め続けて逆転優勝

ツアー初優勝を決め笑顔でガッツポーズ 写真:Getty Images

 申がピンの根元にピタリとティーショットを打った8番パー3でボギーを叩き、3打のビハインドになった時も、あきらめなかった。元世界ランクNo.1の申を相手に、弱気になることは「まったくなくて、ずっと勝つと思ってラウンドしていました」と、優勝への気持ちは揺るがなかった。

 その気持ちは、すぐに形になった。10番で2メートルのチャンスを沈めてバーディー。ジワリと差を2打に縮めた。

 続く11番パー5。申のティーショットは右バンカー。ここから22度のユーティリティーで攻めたが、アゴに当たってしまう。7Iで打った3打目はグリーンオーバー。ここからパターで打ったがダブルボギーで、通算7アンダーで首位に並んだ。

 その後も、自分のプレーでパーを重ねる岩井に対し、申は13番もボギー。単独首位に立つ。パー5の18番も2オンを狙って攻め続け、右のギャラリースタンド近くまでボールを運んだ。これを2メートルに寄せたが、決めきれずにパー。それでも1打差で逆転優勝だ。

 「もっと最後はカッコいい勝ち方というか、2オンしてイーグルでしめるとか、そういうのが盛り上がると思うんですけど、パーで上がれたので全然いいと思います」と、トレードマークの笑顔になった。

ツインズで歴史を作りたい

双子でのツアー優勝はJLPGAツアー史上初の快挙 写真:Getty Images

 明愛の優勝で、史上初の双子優勝となったことを尋ねられ、千怜が言った。

 「もっともっと二人で歴史を作っていきたいですし、ゴルフ界をもっと盛り上げたいと思っているので、明愛の優勝はうれしいですけど、私もまた優勝して2人でもっと大きなことを成し遂げたいです」

 明愛もこう応えた。

 「(歴史を)作りたいですね。まずは日本でお互い刺激して、いずれは海外とかで2人で活躍したいと思っています」

 2人は2月に『ホンダLPGAタイランド』で米ツアー初参戦。明愛は38位タイ、千怜は60位タイと結果は今一つだったが、海外への気持ちが強くなった。

 日本から世界へ。ともに優勝を経験したツインズの夢は、大きく広がっていく。

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