蟬川泰果プロ初優勝の裏で若手有望株に台頭の予感!

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(左から)中島啓太、蟬川泰果、山下勝将 写真:JGTO images

◆国内男子プロツアー<関西オープンゴルフ選手権競技 4月13日~16日 泉ヶ丘カントリークラブ(大阪府)  / 7051ヤード・パー71>

国内男子ツアーの2戦目となった関西オープンでは、20代の台頭を改めて予感させた。昨年10月31日、プロ転向を果たした22歳の蟬川泰果が、最終日も後続を突き放す67をマーク。2位に4打差をつける通算17アンダーでプロ転向後初優勝を飾った。一方、予選ラウンドの2日間で注目を集めたのが石川遼、中島啓太、山下勝将の組み合わせ。特に山下は「持ってる」先輩2人を向こうに回して、ド派手な話題を提供し、大器の片りんを見せた。

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山下美夢有の弟・勝将が先輩2人もびっくりのホールインワン

20歳の山下勝将はベストアマも獲得 写真:JGTO images

 20歳の大学3年生ながら、肝が座っている。

 開幕前々日に予選ラウンドのペアリングが発表されると、アマチュアの山下勝将は石川、中島のいる最も注目される組に入れられた。だが本人はこの時、 ビビるどころか喜んでいたという。

 すでに昨年9月、下部ABEMAツアー『ダンロップフェニックスチャレンジinふくしま』で同ツアー史上7人目のアマチュア優勝を飾っている逸材にとって、プロの試合も実はこれで7戦目だった。

 それだけに大ギャラリーの前でも落ち着いたもの。2日目には15番のパー3で、先輩2人もびっくりのホールインワンまでやってのけた。このホールでのイーグルも効いて、『バンテリン東海クラシック』以来1年半ぶり3度目のツアー予選通過を決めた。

 姉は、先々週の『富士フイルム・スタジオアリス女子オープン』で優勝した山下美夢有。大会前には実家で直接優勝を祝福し、今大会に臨んでいた。

 最終成績はイーブンパーの39位タイ。4日間で吸収したものは大きかったはずで、今後も蟬川同様、アマチュアながらプロの試合を制していく可能性も小さくはない。今後の成長ぶりにも注目だ。

先輩プロの面目躍如!中島啓太は怒涛の5連続バーディー

中島啓太は9位フィニッシュ 写真:JGTO images

 その山下と予選ラウンド2日間を共にした中島啓太は、蟬川から7打遅れの6アンダー13位タイからのスタート。だがサンデーバックナイン突入と同時に覚醒。10番から怒涛の5連続バーディーを決め、一気にリーダーボードを駆け上がった。

 ただ何とも惜しまれるのが、16番でのダブルボギー。結局13アンダーでフィニッシュとなり、蟬川を追い詰めるまでには至らなかった。

 すでに開幕戦の予選ラウンドは、今大会で優勝を飾った蟬川との直接対決となり、第2戦も石川、山下との組み合わせとあって、周囲からの期待も感じないわけにはいかない日々が続いている。

 今季はすでに米ツアー3試合に出場したが、うち2試合は予選落ちだった。その後トレーニングに注力しているというから、シーズンが進むに連れ徐々に成果も現れてくるはず。

 先月15日には、4年間通った日体大を卒業した中島。サンデーバックナインのようなゴルフができれば、結果もおのずとついてくる。

先輩比嘉の賞金王獲得!今年は蟬川がその再現を誓う

プロ転向後ツアー初優勝を飾った蟬川泰果 写真:JGTO images

 「18番のティーショットを打ち終わった後、泣きそうでした」と、蟬川は優勝インタビューで語り始めた。その後、こんな言葉も付け足している。

 「去年に続く最終組。リベンジしたいという気持ちが強かった」

 この大会であるからこその思い入れがあった。

 中3の2015年に初出場したプロの試合が関西オープン。この時は「下から数えたほうが早かった」144位で予選落ち。それから8大会連続で出場し、昨年は2日目に首位に立ったが、最終日の「77」で17位に崩れ、悔し涙に暮れている。

 しかし今年は、そんな思いをうれし涙に変え、見えてきたのは賞金王の3文字。昨年の今大会で比嘉一貴が優勝を飾り、賞金王を獲得したのは、誰もが知るストーリーでもある。

 「(これで)賞金王を取らなかったら、めっちゃ恥ずかしい雰囲気」と複雑な笑みを浮かべた蟬川が、この大会で得た自信を胸に、これから全力で頂上アタックを繰り返していく。

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