岩井千怜、阿部未悠、西郷真央らが躍動した女子ツアー第6戦

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(左から)岩井千怜、阿部未悠、西郷真央 写真:Getty Images

◆国内女子プロツアー<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 4月7日~9日 花屋敷ゴルフ倶楽部 よかわコース(兵庫県)  / 6435ヤード・パー72>

今年も若い力がJLPGAツアーをにぎわせている。山下美夢有が通算9アンダーで今季初優勝を飾った富士フィルムスタジオアリス女子オープン。山下に最後まで食らいついた岩井千怜は20歳、ベストフィニッシュで岩井と並ぶ2位に入った阿部未悠は22歳。8位タイに入って、昨年の強さを取り戻しつつある西郷真央は21歳。勝った21歳の山下も含めて、今季も百花繚乱の戦国時代を思わせる。

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岩井千怜「この位置で戦えるっていうのはすごい楽しいこと」

一時首位に立った岩井千怜だったが結局2位タイ 写真:Getty Images

 惜敗の悔しさよりも、優勝争いの楽しさの方が岩井にとって上だった。

 一時は首位の山下を逆転。2打差単独首位でバックナインに入ったが、粘り強い山下の前に敗れた。それでも、最後まで戦い抜いたことに胸を張る。勝負のかかった18番の第2打がグリーンをショートし、バンカーで目玉になる苦しい状況でも、気持ちは前向きだった。

 「これ(第3打のバンカーショット)を入れれば勝てると思ってたので、やっぱり最後まであきらめずに、勝つという気持ちでやってました」

 山下相手の優勝争いには、「めっちゃ強かった。強いというか、スキがないというか、そういうのはわかっていたので私も頑張ってついて行かないとって言う感じで」と、覚悟して臨んだ。

 自らもスキのないゴルフを目指したが、山下が一枚上だった。「ちゃんと状況とか分かりつつ、ちゃんと狙うところは狙って、組み立てがすごいです」と脱帽。

 ツアー3勝目を逃しても、「この位置で戦えるって言うのはすごい楽しいことだと実感しました」と笑みを見せて、次への糧とした。

トップ10入りした西郷真央 「死ぬ気で練習」した日々を吐露

昨季終盤の不調を乗り越え8位タイに入った西郷真央 写真:Getty Images

 シーズン初のトップ10入り。西郷真央が、復活のノロシを上げた。

 昨年は、開幕戦優勝後、10戦5勝と序盤戦で破竹の勢いを見せていたが、後半、失速。最終戦ではボロボロの状態でシーズンを終えていたが、今季は徐々に結果が出始め、この日は3つスコアを伸ばして通算4アンダー8位タイ。大会前に寝違えた首の痛みを抱え、この日の18番では、大きな音にティーショットを左ラフに打ってボギーを叩いたが、しっかりと力を示した。

 苦しかった時のことをポロリと口にしたのは、プレーに手応えを感じているからこそだ。

 「自分で言うのもなんですけど、死ぬ気で練習して、上位に来れる試合があったので練習してよかったな、と。よりよくなれるようにまた頑張りたいです」

 言葉の裏に、汗と涙が見え隠れする。ミスショットが怖くて、ドライバーが持てなかった昨年の最終戦から、ここまで戻ってきた西郷が復活優勝する日は、すぐ近くまで来ている。

ベストフィニッシュ2位に笑顔の阿部未悠

阿部未悠はベストフィニッシュの2位タイ 写真:Getty Images

 山下VS岩井の優勝争いに、1組前で顔を出したのが阿部未悠だ。

 首位に2打差でスタートし、この日のベストスコアである5アンダーでプレーして通算8アンダー。岩井とともに山下に1打差の2位タイで大会を終えた。

 プロ3年目。初めてシード選手として臨んだシーズンの6戦目でのベストフィニッシュに笑顔を見せる。

 「短期決戦っていうので結構自分の中でもいい集中ができたな、っていう風に思いますし、手応えがあったところもあった」と言いながらも、課題もたくさんあることを実感した。

 2000年9月27日生まれの22歳。同学年ではすでに3人が優勝を経験している。日本どころか米ツアーでも優勝を経験した古江彩佳、今季は米国と日本を行ったり来たりする西村優菜、吉田優利の3人の仲間入りまであと一歩。

 大詰めの17番で3メートルのバーディパットを決められなかったことを例に挙げ、「そういうのが入らないと(優勝は)難しいよなっていうのはすごい思いましたね」と、近くなったからこそ、その難しさを実感した。

 ベストフィニッシュの自信が、勝利につながる日はそう遠くない。

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