◆国内女子プロツアー<明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント 3月9日~3月12日 土佐カントリークラブ(高知県) 6228ヤード・パー72>
若さあふれる選手、米国での戦いを目指す面々が実力を示した。国内女子ツアー第2戦「明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメント」は12日、高知・土佐CCで最終ラウンドを行った。吉本ひかるがささきしょうこをプレーオフで下して初優勝を飾ったが、今後が楽しみな若手や、次週以降、米ツアーでの活躍が期待される選手たちが上位に入って大会を盛り上げた。
明愛10位タイ、千怜18位タイ!上り調子の岩井ツインズ
岩井ツインズが揃って上位に入った。
昨年、2週連続優勝を飾った妹・千怜が、2日目からずっと60台で通算11アンダー18位。予選落ちだった開幕戦から調子を取り戻した。
昨年、優勝はできなかった姉の明愛は、初日7アンダー3位でスタート。これを生かして通算13アンダー10位タイ。2試合連続トップ10入りと今後の活躍を予感させるシーズン序盤となっている。
姉妹揃って、シーズン初戦は米ツアーの「ホンダLPGAタイランド」。国内ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の前週に、実力者が揃う舞台で腕試しをしてから、日本の試合に入った。
「各選手の雰囲気が、自分のリズムでプレーされてて、すごい落ち着いていたんで、そこは自分も見習いたいなと思いましたね」(明愛)と口にしていた経験が、少しずつ生きていることを感じさせる大会となった。
3勝目がかかる千怜、妹に先を越された優勝を今年こそ手にしたい明愛。互いに刺激し合う仲良しツインズの戦いは、今年も興味深い。
初シードの阿部は好調な滑り出し
最終日までスコアを伸ばし続け、粘って10位タイと粘ったのが阿部未悠だ。
2000年生まれ。昨年メルセデスランキング44位で初めてシード権を獲得し迎えたシーズンは、初戦のダイキンオーキッドで14位タイ。2戦目の今大会も10位タイと、序盤からきっちりと上位で戦い続けている。
初日は、一緒にプレーして次々とパットを沈める佐久間朱莉、岩井明愛を横目に、自身は1アンダー止まりで苦しんだが、この日は7バーディー、1ボギー。大事なパットを次々に沈めて笑顔が弾けた。
「ショットの調子がよくない時もあるので、そこは自分なりに修正して距離感とかもう1回確認して、来週に挑めればいいなと思います」と、残りの長いシーズンを見据えていた。
4日間同組だった米ツアー組の古江、勝もトップ10フィニッシュ
米女子ツアーに軸足を置く2人が、さすがの力を見せた。
最終日、ボギーフリーの7バーディーという猛攻で3位タイに食い込んだのが古江彩佳。3日目に1アンダーとスコアを伸ばしきれず、優勝争いには手が届かなかったが、しっかりと結果は残した。
米ツアー2年目。1年目の昨年、すでに優勝は経験しているが、今年も主戦場はそちらになる。アジアシリーズから米本土に戻る合間を縫っての日本ツアー参戦だが「ショット自体悪くない」と、手応えを感じることができた。
米ツアーでの目標は、「しっかり楽しむことを忘れずに、上位の回数を増やしていけたらなと思います。メジャーで去年苦しんだ分、まず予選通過を目指して4日間戦いたいと思います」。
前週、シンガポールで行われた『HSBC女子世界選手権』でも最終日に粘って3位に入っている。今年も、淡々と自分のプレーを続けながら、チャンスを待つに違いない。
その古江と、4日間同じ組でプレーした勝も、通算14アンダー6位タイとまずまずの位置で大会を終えた。こちらは米ツアールーキーとあって、年下だがそちらは先輩の古江にじっくりと話を聞く時間もあった4日間。「持って行った方がいいものとか、どういう風に過ごしているとか聞けたのでよかったです」と笑う。
米ツアーの最終日、優勝争いの場面で2人が一緒に回る機会も、今年はあるのかもしれない。