“黄金世代”の顔だった新垣比菜が臨む不退転のシーズン【開幕ダッシュで復活を目指す選手たち】

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新垣比菜は不退転の決意で今シーズンに臨む 写真:Getty Images

 実力者がそろう1998年度生まれの“黄金世代”の中で、プロ入り後、最初にツアー優勝を飾るなど、頭一つ抜けた存在だったのが新垣比菜。2019年シーズンまで2年連続でシードを獲得していたが、ここ2シーズンはシード落ちと今一つの成績となっている。QTランキング14位で臨む今シーズンは、「もうQTには戻らない」という不退転の決意でツアー2勝目を目指す。

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“黄金世代”最初のプロ優勝者

 1998年度生まれの“黄金世代”は、実力者揃い。2014年KTT杯バンテリンレディスで勝みなみが、2016年日本女子オープンで畑岡奈紗がいずれも高校生で優勝し、同世代の「私にもできる」という気持ちに火をつけたのは、ファンの多くが知るところだ。

 この世代が一斉に高校を卒業した後、プロになって最初に優勝したのが新垣比菜だ。

 舞台はプロになった翌年、初めてフルシーズンをプレーした2018年4月のサイバーエージェントレディス。初日首位タイの後、2日目にさらにスコアを伸ばし、3打差単独首位で最終日を迎えた。

 激しい緊張に見舞われた最終日。スタート前に優勝経験のある勝に、緊張した時の対処法をアドバイスしてもらうなどしたがそれを忘れてしまうほどだったと、当時話している。

 3つのボギーが先行し、追い上げる鈴木愛に首位の座を譲ったシーンもあったが、大詰めの15番で唯一のバーディーを奪った。これが効いて、柏原明日架に1打差で初優勝。グランフィールズGC(静岡県)でさわやかな笑みを見せたのが印象的だった。

「私は私」とマイペースを貫く2023年シーズン

 2019年には、地元沖縄開催のダイキンオーキッドレディスで2位タイに入るなどして、2年連続シード権を獲得。

 だが、コロナ禍のロングシーズンとなった2020-2021年は、4試合でトップ10入りしたが予選落ちも多く、賞金ランキング59位でシード落ち。2022年はクラブ契約やマネジメント契約を一新して臨んだが、この年からシードを決める基準となったメルセデスランキング85位でシード復帰はならなかった。

 それでも、QTではきっちりと14位に入り、シーズン序盤戦の出場権を獲得。この時、QTには戻らないことを誓っている。また、以前は気になっていた同世代について、「私は私。気にならなくなった」と言い切っている。

2022年はステップ・アップ・ツアー最終戦で優勝 写真:Getty Images

地元沖縄の開幕戦で狙うツアー2勝目

 勝がツアーで優勝するまでのアマチュア時代は、後に黄金世代と呼ばれるようになる同学年の中でも頭一つ抜け出す存在だった。

 特に、アマチュアの予選を行っているダイキンオーキッドレディスは特別な大会だ。

 2011年、小学校6年生で初出場。その後も2012年の中学2年生から5年連続で出場し、いずれもローアマを獲得している。プロ入り後は、2019年に同じ沖縄出身の先輩比嘉真美子を最終日に追い上げて2位タイに入っているが、残念ながらまだ優勝できていない。

 「2023年の目標は、1つでも多く優勝を重ねることです」と宣言したシーズン。

 シード復帰はもちろん、待望の2勝目に向けて準備を整えている。その舞台が、故郷沖縄の思い出深いダイキンオーキッドレディスなら最高だ。

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