◆国内女子プロツアー<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 10月20日~10月23日 マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) 6585ヤード・パー72>
川﨑春花が、激戦を制してツアー2勝目を飾った。
NOBUTA GROUPマスターズGCレディース最終日(23日)に、河本結と並ぶ通算12アンダー首位で臨んだ川﨑は、河本とデッドヒートを演じた。猛追した佐藤心結も届かず、1打差で惜敗。川﨑が日本女子プロゴルフ選手権に続く優勝で、実力を示した。2週連続予選落ちなど、自分を見失いかけながらも、立ち直って手にした2勝目は、さらなる飛躍への足掛かりとなりそうだ。
川﨑春花はボギー発進の自分に「腹が立った」
川﨑春花が、激戦の末の2勝目に、自信を深めた。
「今シーズン中にもう1勝したいと思っていたので、それを達成することができてうれしいです」
持ち前の柔らかい笑みを見せながら、そう胸を張る。
9月の日本女子プロゴルフ選手権で、優勝したシンデレラガール。だが、19歳のルーキーには、いきなりの公式戦タイトルは荷が重い部分もあった。続く2戦は予選落ちの試練。
「やっぱり自分がフワフワしていたのもあるし、気持ちが追い付かないまま試合に臨んでいたんです。そこで吹っ切れたものがあって、また自分のゴルフを見直して試合の臨むようになり、予選落ちもなくなったので勝つことができたのかと思います」
自らの1か月半をこう分析したが、この日もスタート直後は苦しかった。1番で3パットのボギーを叩き、首位に並んでいた河本はバーディー。いきなり2打差をつけられる。
「緊張してないと思っていたんですけど、スコアを記入する時に少し手が震えていたので、緊張してるんだなと思いました」
しかし、2番ですぐにバウンスバック。「パー5でボギーをした自分に腹が立ったというか、そんな感じで2番は絶対にバーディーを取るというような気持ちを持って臨みました」と、自分への怒りを糧にした。
このホール、河本がボギーで再び首位に並んだ2人は、14アンダーで並んだままバックナインに突入していった。
絶対に今シーズンに2勝目を挙げるという強い気持ちで
15番のバーディーで、川﨑が頭一つ抜け出し、18番は8メートルのバーディーパットが残った。
「3パットしたらどうしよう」と、2つのボギーが頭を過ぎったが、それを振り払い、しっかりと2パットで決めて、先に上がっていた佐藤、バーディーが取れなかった河本に1打差で優勝した。
河本との戦いを「マッチプレーや、って思ってました」と、楽しむ気持ちもあった。このあたりに、川﨑の強さが垣間見える。
「2勝目が難しいとは聞いたりしていたので、絶対に今シーズンに2勝目を挙げるという風には思ってたので、それがこの4日間大会でできたのは、すごく自信になりました」と口にした川﨑。
今後の目標について問われると、「今は目の前のことですごく必死でそこまで考えていないんですけど、1つ言えるなら、強いゴルファーであり続けたいなと思っています、また1勝、勝てるように頑張りたいです」と口にした。
地道な一歩、一歩が生み出す大きなステップ。川﨑はそれを知っているのかもしれない。
2位の河本結「喜びと悔しさが入り混じっている」
「素直に多くのギャラリーさんの前でプレーできた喜び、幸せと、勝ち切れなかった悔しさが入り混じっている感じです」と、河本が本音を吐露した。
2019年のアクサレディスinMIYAZAKI以来のツアー2勝目に向けて、首位タイで迎えた最終日。1番バーディーで先手を取ったかに見えた。だが、すぐに2番でボギー。その後は川﨑とのデッドヒートが続いた。
1打ビハインドで迎えた大詰めの16番。バーディーパットをはずしてグリーンに両ひざをついて崩れ落ちた。最後の18番も攻めたが、わずかにカップに届かず、パー止まり。川﨑に1打足りず、2位タイに終わった。
「絶対勝つぞ、と最後まで貫き通したんですけど、心としていることが一体化していなくて…。自分の成長するべき部分かなと。勝ちたいのにパッティングでショートしたところですよね」。
そう、敗因を分析、次につなげた。
目標にしていたのは、地元、宮崎が舞台の最終戦JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップの出場権獲得だった。その条件は、今シーズンの①国内ツアー優勝者、②米ツアー優勝者、③ロレックスランキング50位以内(②③はいずれもJLPGA会員のみ)と、④メルセデスランキング上位の者で、上限が40人となっている。
優勝すればもちろん出られたが、2位タイではメルセデスランキングが68位から50位に上がっただけで、まだ足りない。
「まだ頑張ります」と、最後は笑顔を見せた河本。現状では、リコーカップ前までに4試合あるが、米ツアーと共催のTOTOジャパンクラシックには出場権がないため、河本にとっては3試合しかない。
その中で、結果を出して故郷の舞台に立つための戦いが続く。