◆国内女子プロツアー<フジサンケイレディスクラシック 4月22日~24日 川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県) 6447ヤード・パー71>
1998年度生まれの“黄金世代”の高橋彩華がツアー初優勝を果たした。最終日最終組は10回目、首位で迎える最終日は6回目でついに勝ち切った。これで“黄金世代”の優勝は11人目となった。
6回目の最終日首位スタート 自分に負けなかった高橋彩華
最終日を首位からスタートした高橋彩華。これで最終日最終組は10回目、首位で迎える最終日は6回目だが、これまでことごとく“優勝”に嫌われ続けてきた。
今回もトラウマがあったのか、1番パー4、2番パー4で連続ボギー。
「このボギーでまた勝てないのかなと思った。いつもあの流れになったら自分に負けてボギーが止まらなくなる感じだったので、自分自身に逃げるなとずっと言い聞かせながら今日一日ゴルフをしてました」
続く3番パー4、4番パー5で2連続バーディー。5番パー4でボギーを叩くも、これまでとは気持ちが違った。
「5番以降、12番(パー5)くらいまでは特にプレッシャーも感じず、耐えながら良いゴルフができました。12番でバーディーを取ったあとから緊張してきた感じです」
高まる緊張感のなかで、13番パー4、15番パー4でもバーディーを奪取。ここから上がり3ホールは鬼門。それでも最難関の17番パー3では第1打をグリーンにきっちり乗せてパー。18番パー4も最後は50センチのウィニングパットを沈めた。
通算12アンダーでのツアー初優勝は、初日から一度も首位を譲らなかった“完全V”でもあった。
勝てないときに心に刺さった武井壮の言葉
コロナ禍のため統合された2020―21年シーズンではトップ10入りが21回で、今季も7試合で3回のトップ10入り。そのうち2位が3回もあった。
「(優勝を見放す)お化けが1番、2番でいっぱい出た(笑)」と笑っていたが、「初優勝の呪縛から解き放たれたと思います。これからの自分が楽しみです」と重圧に打ち勝った。
これまでたくさんの人たちからアドバイスをもらったという高橋。その中でもタレントの武井壮の言葉が響いたという。
「一番自分のなかで心に刺さったのは、武井壮さんに会ったとき。『勝てなくてもその位置にいるだけで、メンタル強いじゃん』と言ってもらえて、心が軽くなりました。確かにと思ったので、そこから優勝争いに対する見る目線が変わりました」
1998年生まれの“黄金世代”としては11人目の優勝。「私だけ置いて行かれてる感じがしていたけれど、それが刺激になっていました。そのおかげで私も勝てたと思います」。
初優勝の余韻に浸る間もなく、次に勝ちたい大会は「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」と言い切る。昨年同大会で高橋は、最終日を2位に3打差の単独トップで迎えながら、西村優菜に逆転優勝されている。
「去年のサロンパスが一番悔しかった。リベンジを果たしたい」
2週間後に迫る国内メジャー初戦のサロンパスカップで2勝目を目指す。