◆国内女子プロツアー<パナソニックオープンレディース 4月29日~5月1日 浜野ゴルフクラブ(千葉県) 6660ヤード・パー72>
西郷真央が今季4勝目を挙げた。首痛で2週間、試合から離れていたが、復帰戦最終日にテレサ・ルーを逆転していきなり優勝。落ち着いたプレーぶりは、さらなる可能性を感じさせるものとなった。
流れを引き寄せた15番でのイーグル
フォローの風に乗ったボールがグリーンの左側に運ばれる。右にはねて傾斜で右に転がると、カップに吸い込まれた。イーグルだ。15番パー4での鮮やかな1打で首位のテレサ・ルーを逆転し、試合の流れを引き寄せた。
「打った瞬間、この難しいライからすごく良いショットが打てたな、と、100点に近いショットが打ててヨシと思って、落ちたところもしっかり手前で落ちてくれて転がって行って、ギャラリーの方の歓声とともにボールが消えていくのが見えたので、心臓がドキッとしました」。
優勝インタビューで、西郷が振り返った勝負どころの値千金の一打は、忍耐強いプレーの末に生まれた。
テレサ・ルーに2打差2位でスタートした西郷は、丁寧にパーを重ねた。バーディーが取れなくてもいらだつことなくプレーしたことに対し、「昨年までの自分だったらパーセーブしたいところでできずにだらだらスコアを落としていたと思うけど、その中でもショートゲームをオフの課題としてやってきたので、そこがバーディー待ちができるプレースタイルに成長できた点かなと思います」と分析。何度も優勝争いをしながら、勝てないまま終わった昨年を、確実に糧にしたことを思わせた。
11番までパーの後、12番パー5で2オンしてバーディーを奪い、15番のイーグルにつなげた。単独首位で迎えた最終18番でも、2オンしてのバーディーで、テレサ・ルーに2打差の優勝となった。
故障での休養も無駄にしない貪欲さ
開幕戦で初優勝を飾った後、6戦3勝と破竹の勢いを見せたが、KTT杯バンテリンレディスを首痛で棄権。2試合を休むことになってしまった。それも、トレーナーにケアしてもらうことで乗り越えた。約1週間、練習できなかったが、「復帰戦でそこまで自分に期待してなかったけど、優勝することができたのですごくうれしく思います」と、開幕からのいい流れを取り戻した。
休んでいる間の時間も無駄にはしていない。練習できない時に、女子ツアーだけでなく男子ツアーも見て、「勉強になるプレーをたくさん見れて、そういった意味では自分のプレーはできなかったけど見て学ぶものはたくさんあったので」と、あくまでも貪欲だ。
次戦のビッグタイトルにも意欲
今季出場した7試合で4勝を挙げる怒涛の強さ。次戦はシーズン最初の国内メジャー、ワールドレディスサロンパスカップが待っている。
「昨年はメジャーで力み過ぎて空回りしちゃった記憶があるので、すごく悔しい思いをした大会だったと思います」と肩の力を抜いて臨む西郷。「出るからにはどんな結果になろうと、全力でプレーすることを心がけているので、そういったところがあとの結果につながると信じて」と、目を輝かせた。
5割以上の勝率を誇る西郷の進撃はどこまで続くのか。師匠である尾崎将司の強かった頃を思い出させるような存在に、早くもなりつつある。