◆国内女子プロツアー<ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ 5月5日~5月8日 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県) 6680ヤード・パー72>
20歳の山下美夢有が、今季国内メジャー初戦のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで完全優勝を飾った。
通算2勝目はメジャー!家族が見守る中で感謝の勝利
ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップの最終日。単独首位から出た山下は、独特の緊張感に襲われていた。
「本当に今までにない緊張感が夜からあったので、朝は特に練習のように振ろうとか思っていたのですが、なかなか気持ちが落ち着かなかったという感じでした」
メジャー初優勝がかかった試合で、平常心でいられることのほうが難しいだろう。それでも落ち着いて自分のゴルフを貫いた。3バーディー、2ボギー、71のアンダーパーで回り、通算12アンダーで初日から首位を守り、同大会初の完全優勝を果たした。
両親、弟と妹も見守る中での優勝インタビューでは、真っ先に母・有貴さんへの感謝の気持ちを伝えていた。
「ママ、いつも支えてくれてありがとう」。母・有貴さんも、「言葉にならないくらいうれしい。いい誕生日プレゼントと母の日のいい思い出になりました」と感無量だった。
そしてこの日はコーチでもある父・勝臣(まさおみ)さんについて、「私の癖などを一番分かってくれる人。父からのコーチングのスタイルは変えません」と笑顔を見せていた。
家族に支えられて育った山下は、結果で恩返しできたことを喜んでいた
20歳278日でのメジャー完全優勝は宮里藍に次ぐ歴代2位の年少記録
今回のメジャー初優勝で、肩の荷が少しだけ下りたと思う。これまで同じ2001年度生まれの今季8戦4勝の西郷真央、昨年の全米女子オープン覇者の笹生優花に「置いていかれる」との思いがあったからだ。
自身は昨年4月のKKT杯バンテリンレディスで初優勝したものの、2勝目が遠く、今季は前週まで3週連続で予選落ちした。
「1勝はできたけれど、そこからなかなか勝てなかった。気持ち的にもプラスに考えようとは思っても、それも難しい。その中でもやるべきことをやろうと決めていたので、それが今に繋がりました」
ちなみに国内4つあるメジャー大会で、完全優勝の最年少記録を持つのは2005年日本女子オープンを制した宮里藍(20歳105日)だが、山下は20歳278日で2番目。西郷の独走に待ったをかけるべく、山下は「年間複数回優勝」を次の目標に掲げた。