◆国内女子プロツアー<ほけんの窓口レディース 5月13日~5月15日 福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県) 6299ヤード・パー72>
国内女子ツアー「ほけんの窓口レディース」は、最終日単独トップから出た渡邉彩香が、高橋彩華とのプレーオフを制して、ミセスとなってからは初めて、2020年の「アース・モンダミンカップ」以来となるツアー通算5勝目をあげた。
独走から一転 プレーオフ制した渡邉彩香が2年ぶりの勝利
フックラインの15メートルが、鮮やかにカップに吸い込まれる。渡邉彩香が最高の形で激戦に決着をつけた。
国内女子ツアー「ほけんの窓口レディース」の最終日を2打差単独首位で迎えた渡邉は、5番までに4つのバーディー奪取。独走態勢に入るかに見えた。だが、8番のティーショットを右にOBしてダブルボギーを叩くと、後半は出入りの激しいゴルフ。通算11アンダーで、この日4つスコアを伸ばした高橋彩華に並ばれ、プレーオフに持ち込まれた。
「守るということはできないタイプなので、最初からガンガン攻めていこうという気持ち」との言葉の通り、状況が変わっても攻め続けた。プレーオフ2ホール目の長いバーディーパットは、「軽い2段グリーンで1グリップ以上切れるフックライン」(渡邉)。これを読み切って優勝した。
夫からの言葉で迷い吹っ切る 夫婦での優勝カップに笑顔
今季はこの試合までの9試合で3回、トップ10入りしていたが、ずっともどかしい気持ちを抱えていた。前週のサロンパスカップで今季初めて予選落ちした後、昨年結婚した柔道家の夫、小林悠輔にそれをぶつけたると、返ってきたのはこんな言葉だった。「本人からしたらきついと思うけど、俺からしたらアスリートとしていろいろ悩めるのは幸せだと思うけどね」。これで迷いが吹っ切れた。
さらなる高みを目指して悩める幸せ。それをかみしめて、最初から最後まで攻め続けた結果が2年ぶりのツアー5勝目。前回優勝した2020年アースモンダミンカップは無観客だったため、久々に大観衆の前で喜びを爆発させた。
「日本のツアーで頑張っている以上は1番になりたいと思っているので、まだまだ試合はありますし、トップを目指して頑張りたいなと思います」と、年間通してツアーを制することも宣言。一緒に優勝カップを掲げてくれた夫という大きな支えを得て、渡邉はさらにアクセルを踏み続ける。