畑岡奈紗が全米女子プロ最終日にベストスコアで5位タイフィニッシュ!優勝はチョン・インジ

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メジャー3勝目をあげたチョン・インジ 写真:Getty Images

◆海外女子プロツアー<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 6月23日~26日 コングレッショナルCC(米メリーランド州) 6894ヤード・パー72>

畑岡奈紗がメジャー最終日にベストスコアを叩き出した。難コースに選手たちが苦しんだ全米女子プロゴルフ選手権の最終日、ベストスコアの3アンダー、69でプレーした畑岡は5位タイでフィニッシュ。優勝したチョン・インジ(韓国)には4打及ばなかったものの、メジャーの舞台で最後に意地を見せた。

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畑岡奈紗が最終日のベストスコア69をマーク

 硬くアンジュレーションのきついグリーンと風に、あちこちでため息がこぼれる。

 全米オープンを3度開催しているコングレッショナルCCは、セッティングとコンディション次第で難易度を増す。この日は、上位陣も含めてスコアメイクに苦しんだが、畑岡は底力を発揮した。

 通算2オーバー35位タイで、10番からの“裏街道”でスタートすると、パー5の11番で、バンカー越えの第3打を1.2メートルにつけてバーディが先行する。14番でボギーを叩いたものの、あとはパーで切り抜けた。後半に入って、4番で7メートルを沈めると、難しいグリーンを攻略していく。6番では1.5メートルを決めて通算イーブンパーに戻した。最後の9番でも、フェアウェー右サイドからピン奥にキャリーしたボールをバックスピンで40センチまで寄せてバーディフィニッシュ。最終日にプレーした71人のベストスコア、3アンダーの69で回って通算1アンダー5位タイまで順位を上げた。

 「4日間、自分の思うようなショット、スイングが少なかった。でも、今日は風も出てきた中でアンダーに戻せてよかったです」と振り返る畑岡が悔やんだのは、唯一オーバーパーの75を叩いた3日目だ。「昨日が悔しい」と唇をかむ。それでも、4週後に控えたエビアンチャンピオンシップ(7月21日~24日、仏・エビアンリゾートGC)、その2週後の全英女子オープン(8月4日~7日、スコットランド・ミュアフィールド)に向けて手応えをつかんだ。

最終日ベストスコアをマークした畑岡奈紗は5位タイ(写真は2日目) 写真:Getty Images

西郷真央と笹生優花はそろって30位タイ

 大会初出場の西郷真央も踏ん張った。

 通算4オーバー54位タイから、4バーディー、4ボギーのイーブンパーで回り、通算4オーバー。周囲がスコアを落とす中、30位タイに順位を上げて4日間を終えた。

 44位タイとしぶとくプレーした全米女子オープン終了後、そのまま米国に残った。マサチューセッツ州のボストンから、コングレッショナルの名の通り、首都ワシントンDCエリアにあるコース近辺で練習とラウンドに明け暮れ、調整に努めた2週間。その甲斐あって、メジャー2試合連続予選通過を果たし、最後まで粘ることができた。

 アンダーパーでプレーした選手が4人しかおらず、イーブンパーも6人という中に入ったことで実力も見えた西郷。日本ツアーでは、開幕戦で初優勝した後、すでに5勝を挙げているが、メジャーの舞台でも、自分のプレーができたことで、自信を深める結果となった。

 対照的に、苦しんだのが笹生優花だ。昨年の全米女子オープンチャンピオンは、3日目を終えて首位に7打差、12位タイから上位に食い込めそうなポジションにいた。しかし、2番ボギーの後、5番では4パットのダブルボギー。ショットもいま一つだったが、グリーン上ではさらに苦しんだ。2バーディ、5ボギー、1ダブルボギーの5オーバー77で、通算4オーバー。西郷と同じ30位タイまで順位を落として、大会を終えている。

そのほかの日本勢は、渋野日向子が何とか予選を通過したものの、3日目を体調不良で棄権。古江彩佳は予選で姿を消した。

インジVSトンプソンの激戦はインジが歓喜のメジャー3勝目

途中首位に立つも2位タイにおわったレクシー・トンプソン 写真:Getty Images

 優勝争いは、初日8アンダーで飛び出し、3打差で最終日を迎えたチョン・インジが2番でボギー。同じ最終組で回るレクシー・トンプソンが1番、3番とバーディとしたことで、通算7アンダー首位に並んでしまった。

 11番を終えてトンプソンが2打差の単独首位に立つが、ここから一進一退の優勝争いが繰り広げられる。忍耐強くプレーするインジに対し、トンプソンは出入りの激しいゴルフ。潮目が変わったのはパー5の16番だ。バンカー越えの3打目を、トンプソンがグリーンオーバーさせてボギーを叩くと、インジは3メートルを沈めてバーディを奪取。残り2ホールで通算5アンダーの首位に並んだ。

 17番ではグリーン奥から寄せてパーセーブしたインジに対し、トンプソンは4メートルから3パットの痛恨のボギー。インジが再逆転した。

 通算4アンダーで先にホールアウトしたミンジー・リーが待つ18番。トンプソンのティーショットは右に飛び、スコアラーが持っていた荷物を直撃するも、ラフからの第2打を左2.5メートルにつけるスーパーショット。対するインジは、グリーンをオーバーさせてしまう。

 最後まで目の離せない戦いだったが、入ればプレーオフというバーディパットをトンプソンがはずし、3打目を1メートルに寄せたインジが、パーパットをしっかり沈めて優勝を決めた。

 その瞬間、右手で静かに何度もガッツポーズし、こらえきれない涙を流したインジ。2015年全米女子オープン、2016年エビアンチャンピオンシップとメジャー2勝の実力者だが、2018年LPGAハナバンクチャンピオンシップ以来、勝利から遠ざかっていただけに、歓喜のメジャー3勝目となった。

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